健康連載ブログ

2006年03月29日

この病気にこの名医Part2

【第77回】受診しやすい環境作り/東京都済生会中央病院中村聡部長

女性の尿失禁(下)

 女性の尿失禁(尿もれ)には「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「混合性尿失禁」がある。今回は切迫性尿失禁に注目しよう。

 「急に尿意を起こす。それも我慢できないほどの尿意のためにトイレに間に合わず、尿が出てしまうのを切迫性尿失禁といいます」と東京都済生会中央病院(東京・港区)泌尿器科の中村聡部長は切迫性尿失禁の定義を話す。

 急に強い尿意が起きるとトイレに間に合わない。それがいつ起きるか分からないので、患者は外出できなくなるケースも多くみられる。通常、腎臓で尿が作られて尿管を通って膀胱(ぼうこう)にたまる。尿がたまるに従って尿意が強まり、ある程度尿がたまるとその情報が脳に伝わり、大脳からの排尿許可が出て尿が出る。「切迫性尿失禁の方は、尿が膀胱にパンパンにたまっているのではなく、実際には100ミリリットル程度でも急に尿意を感じ、もれてしまいます。これには過活動膀胱が大きく関係しているのです」。

 過活動膀胱とは膀胱が極めて過敏になった状態。そのため、尿が多少たまっただけでも過敏に反応し、強い尿意、いわゆる「尿意切迫感」に襲われる。トイレに間一髪でも間に合えば大丈夫だが、間に合わずにもれてしまうと切迫性尿失禁となる。

 その切迫性尿失禁を知るための自己チェックがある。
 <1>昼間、10回以上トイレに行く。
 <2>就寝中、2回以上トイレに行く。
 <3>夜間、寝ているときに尿がもれたことがある。
 <4>強い尿意があるとき、もらしたことがある。
 <5>冷たい水で手を洗うとトイレに行きたくなったり、もれる。(日本家族計画協会『女性の尿もれは治療できます』より)

 このような症状に気付いても、1人で悩む人が多いようだが、QOL(生活の質)を悪くしてしまうので、早期に受診を。「膀胱炎、尿路結石といった膀胱の病気が原因だったり、脳卒中の後遺症ということもあります。そういった正確な診断のためにも早期の受診は大事です」。泌尿器科では女性泌尿器科外来を設け、女性が受診しやすい環境作りをしているところが増えている。

 ◆尿失禁の名医
 ▽東京女子医科大学東医療センター(東京都荒川区)泌尿器科・巴ひかる講師
 ▽東京都済生会中央病院(東京都港区)泌尿器科・中村聡部長
 ▽北里研究所病院(東京都港区)泌尿器科・大川あさ子医長
 ▽慶応義塾大学病院(東京都新宿区)泌尿器科・朝倉博孝講師
 ▽昭和大学横浜北部病院(横浜市都筑区)泌尿器科・島田誠教授

March 29, 2006 08:28 AM

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