健康連載ブログ

2006年03月26日

この病気にこの名医Part2

【第74回】喀痰グラム染色検査が診断の鍵/国立病院機構東京病院永井英明医長

肺炎の治療

 肺炎の中で、圧倒的に多い肺炎球菌が原因で起こる肺炎球菌性肺炎を治療するときは、まずはしっかりとした検査、そして診断が行われることが重要である。肺炎の検査は昔からそうであるように、まずは胸部エックス線検査。「エックス線検査が大事です。肺炎を引き起こしていると、肺に炎症が起きているので影が出ます。つまり、エックス線画像の肺にまっ白な部分が出てきます」と、国立病院機構東京病院(東京都清瀬市)呼吸器科の永井英明医長。そして「症状だけでは気管支炎と区別ができません。専門医でもそうです」と付け加える。

 重症になると激しい咳(せき)に加え、黄色や緑色の痰(たん)、高熱に加えて〝息苦しさ〟も出てくる。「症状では高熱が特徴的でもあるのですが、高齢者の場合はそれが出ない時期もあるのです。それでも、基本となる診断に不可欠なのはエックス線、咳、痰、発熱です」。肺炎が疑われると「喀痰グラム染色検査」を行う。患者から痰を採取して染色し、それを顕微鏡で調べる。「染色の染まり具合や菌の形状で細菌感染の有無、細菌の種類がおよそ分かります」。
 さらに病原体を特定するには、菌を増やして調べる「培養検査」を必要とする。「検査結果を受けるまでに2、3日かかります。その結果を待っていたのでは、肺炎だったとしたらどんどん進行し、生死にかかわる状態になってしまいます。その日にすぐに治療を開始するには、喀痰グラム染色検査からおおよその診断をつけることが大事です。そして、培養検査は菌の確認と感受性を見るため、ということです」。これがごく一般的な診断、治療の進め具合である。
 治療は、軽症の場合は内服の抗菌薬が使われ、通院で行われる。重症になると1、2週間の入院となり、注射薬を使う。一般的には抗菌薬を使用後、3日で効果を判定し、効果がない場合は薬を代える。「通院の方で発疹(ほっしん)が出たり、下痢がひどい場合は抗菌薬の副作用が疑われますので、連絡をいただきます。そして、適切な治療が行われれば、若い方では問題はありません」。今日の治療では、抗菌薬を使うときは耐性菌による可能性があるという前提で行われている。

 ◆肺炎の名医
 ▽三宿病院(目黒区上目黒)呼吸器科・中森祥隆部長
 ▽桜みちクリニック(神奈川県小田原市)永武毅院長
 ▽中浜医院(大阪市旭区)中浜力院長
 ▽奈良県立医科大学付属病院(奈良県橿原市)感染症センター・三笠桂一教授

March 26, 2006 08:32 AM

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