2006年03月23日
この病気にこの名医Part2
【第71回】ピロリ除菌で再発防止/国際医療福祉大熱海病院川口実
胃・十二指腸潰瘍の治療(下)
空腹時に上腹部が痛んだり、出血したりする胃・十二指腸潰瘍(かいよう)は、吐血したり、下血したりすることもある。原因の大きな要素を担っているのが胃の出口の幽門部付近により多くすみついているヘリコバクター・ピロリ菌。
「再発を防ぐためには、ピロリ菌の検査でピロリ菌の感染が分かると、患者さんと話し合って除菌を行います。この除菌が成功すると再発はまずなくなります」と、国際医療福祉大付属熱海病院(静岡県熱海市)内科の川口実教授(兼副院長)は強調する。
ピロリ菌の「除菌治療」は、00年から胃・十二指腸潰瘍を患っている人に限って、健康保険が適用されている。
除菌治療は「3剤併用療法」。3種類の薬を1週間服用する。3種類のうち2種類が抗菌薬で「アモキシシリン」と「クラリスロマイシン」、残り1種類は胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)で「ランソプラゾール」もしくは「オメプラゾール」を使う。副作用としては軽い下痢などがあるが、これは大きな問題とはならない。すぐに受診する必要のあるのは出血性大腸炎を起こした場合で、血便とともに重症の下痢にも見舞われる。
除菌治療4週間以上たって再度ピロリ菌の検査を行い、除菌の成否を判定する。「私どもの場合は再検査は8週間後に行います。ピロリ菌検査は少し残っていても陰性に出てしまいます。ピロリ菌が残っていると増殖してきますので、判定は少し遅い方がいいのです」。
除菌率は85%くらいだったが、最近は耐性菌が出現してきて、75%くらいにまで低下してきた。「クラリスロマイシンに耐性が出てきたのです。この場合は2度目の除菌治療となりますが、同じ薬を使わないと保険が適用になりません。これでは除菌率は10%くらいにしかなりません」。除菌の成功率を高めるには、クラリスロマイシンをメトロニタゾールに替えて治療を行うことになる。
除菌がうまくいった場合、胃の粘膜が若々しくなるため、10人に1人くらいに胸焼けの症状を起こす「逆流性食道炎」が見られる。このようにメリットは多いがデメリットもある。除菌治療を受けるときは、担当医と十分に話し合ってからにするべきである。
◆胃・十二指腸潰瘍の名医
▽三重県立志摩病院(三重県志摩市)内科・吉村平副院長
▽大阪市立大学医学部付属病院(大阪市阿倍野区)消化器内科・荒川哲男教授
▽川崎医科大学付属病院(岡山県倉敷市)食道・胃腸内科・春間賢教授
▽詫間町立国民健康保険永康病院(香川県詫間町)内田善仁病院長
▽福岡大学筑紫病院(福岡県筑紫野市)消化器科・松井敏幸教授
March 23, 2006 08:39 AM
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