2006年03月22日
この病気にこの名医Part2
【第70回】まず内視鏡でしっかりチェック/国際医療福祉大熱海病院川口実
胃・十二指腸潰瘍の治療(上)
胃・十二指腸潰瘍(かいよう)の患者は、多いように思われるが、実際には約200万人程度である。空腹時に上腹部がキリキリ痛む特徴があり、牛乳や食事を取ると一時的に痛みが治まる。受診する場合は内科は内科でも消化器内科になる。
国際医療福祉大学付属熱海病院(静岡県熱海市)内科の川口実教授(兼副院長)は、胃・十二指腸潰瘍の診断までの診察を、次のように話す。「どのような痛み方かを患者さんから話を聞きます。十分に問診を行った後、今は内視鏡によって胃・十二指腸潰瘍を確認するのが最もオーソドックスだと思います」。
「上部消化管内視鏡検査」である。この検査を受けるときは、前日の夜9時以降は食事をせず、当日は多少の水分摂取は問題ないが、食事は取らずに受診する。「胃・十二指腸潰瘍疾患の鑑別診断、確定診断になるので、胃がん、胃ポリープなども見逃さないように内視鏡の画像をチェックします。そして、胃・十二指腸潰瘍と確定したときは、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているか否かを調べるために、胃の組織の一部を採取します」。
もちろん、除菌を必要としない人には胃の組織を採る検査は不要。その場合は、そのまま胃・十二指腸潰瘍の治療となる。
胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられる薬は「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」と「ヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)薬(H2ブロッカー)」。胃酸分泌の最終段階にタッチするのがプロトンポンプという酵素。PPIにはこのプロトンポンプの作用を抑える働きがある。もう1つのH2ブロッカーは、プロトンポンプの前段階のヒスタミンが受容体に結合し、その信号がプロトンポンプに伝えられるところの受容体結合を阻害する。やはり胃液の分泌は抑えられる。
さて、再発を防ぐため、ピロリ菌の除菌を考える人は、より簡単な「尿素呼気試験」でピロリ菌の感染を調べる必要がある。「ピロリ菌はウレアーゼという酵素を出しますが、これが胃内の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解します。このピロリ菌の働きを利用したのが尿素呼気試験で、特殊な炭素を含んだ尿素の検査薬を飲む前と後の息を採って確認する検査です」。ピロリ菌が胃内に住んでいると、特殊な炭素が多く含まれていることになる。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆胃・十二指腸潰瘍の名医
▽東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)消化器内科・高木敦司教授
▽新潟大学医歯学総合病院(新潟市)第3内科・成沢林太郎助教授
▽国際医療福祉大学付属熱海病院(静岡県熱海市)消化器内科・川口実副院長
▽藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院(名古屋市中川区)消化器内科・芳野純治教授
▽名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)消化器内科・丹羽康正講師
March 22, 2006 11:43 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/4059
