健康連載ブログ

2006年03月15日

この病気にこの名医Part2

【第63回】超音波内視鏡で診断精度高める/東京女子医大病院羽鳥隆講師

膵臓がんの治療(上)

 膵臓(すいぞう)がんを疑って受診すると、以下のような検査が行われる。「問診」「血液・尿検査」「超音波検査」「CT検査」「MRI検査」「ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管検査)」「超音波内視鏡検査」など。「問診では現在の病状を聞くとともに、過去の病歴、家族の病歴、嗜好(しこう)品など詳しく聞いて、いくつかの可能性を考えます」と話すのは、膵臓がん手術を年間60~70例行っている東京女子医科大学病院(新宿区河田町)消化器外科の羽鳥隆講師。

 検査がオーダーされ、血液検査では血糖の項目や膵酵素、肝・胆道系酵素の項目がより注目される。加えて、腫瘍(しゅよう)マーカーも調べる。「CAI19-9というのが膵臓がんでよく使われるマーカーです。しかし、これが高いから100%膵臓がんと断定できるものではありません」。

 まずは簡便で体に優しい超音波で膵臓を見る。「超音波では見えにくいところもあります。その場合、検査技師や医師が見えない部分は見えないと書いて報告がきます」。そして、膵臓がよく見えなかったり膵臓がんの疑いがあればCTやMRI検査に進む。「CT、MRIを行うと、直径2センチ以上であればほぼ診断がつきます。また、超音波内視鏡を使うと、より膵臓の近くからの超音波画像が得られるので診断の精度が高まります」。

 胆管や膵管が狭窄(きょうさく)しているようなときは、胆管と膵管を造影するERCPも行うし、その際に細胞も採ってくる。そして、確定される。確定される膵臓がんの病期(ステージ)は、日本膵臓学会で次の4段階に分けられている。

 ▽1期 膵がんの大きさが直径2センチ以下で膵臓の内部に限局している。
 ▽2期 大きさが直径2センチ以上だが、がんは膵臓内にとどまっている。または大きさが直径2センチ以下だが、第1群(最も近い)のリンパ節に転移がある。
 ▽3期 がんは膵臓の外へ少し出ているが、リンパ節転移はないか、第1群までに限られている。または膵臓内にとどまっているが、リンパ節転移は第2群(第1群より少し離れたところ)まである。
 ▽4期 がんが膵臓の周囲の大血管・神経・臓器を巻き込んでいるか、離れたところまで転移がある。
 検査でがんの状況を十分に把握して、最善の治療方針が決められていく。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆膵臓がんの名医
 ▽東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)消化器外科・今泉俊秀教授
 ▽静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)肝・胆・膵外科・上坂克彦部長
 ▽名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)消化器外科第2・中尾昭公教授
 ▽京都大学医学部付属病院(京都市左京区)外科・土井隆一郎講師

March 15, 2006 11:01 AM

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