2006年03月11日
この病気にこの名医Part2
【第59回】医師の十分な監視下でBCG/癌研有明病院福井巌部長
膀胱がんの治療(上)
どんながんでもそうであるように、膀胱(ぼうこう)がんも早期に発見すると、体に優しい治療で治すことが可能。ただし、膀胱がんの種類によって治療方法は異なる。
種類は「上皮内がん」「乳頭状がん」「結節状がん」「潰瘍(かいよう)タイプ」の4タイプ。上皮内がんは早期であるが性質の悪いがんで、苔(こけ)のようながん。同じく早期の乳頭状がんは膀胱内に飛び出したカリフラワータイプで、粘膜とは細い茎でつながっている。性質のおとなしいがんである。結節状がんは膀胱内に飛び出すタイプのがんではあるが、粘膜との結び付きは太い茎や茎のないもので、浸潤性で転移の早いがん。潰瘍タイプは文字通り潰瘍のような状態を呈し、やはり浸潤性で転移が早い。
「このような膀胱がんの中でも、早期に発見すると、乳頭状がんは内視鏡を使った『経尿道的膀胱腫瘍切除術』で生検兼治療になってしまいます」と、癌研有明病院(東京・江東区)泌尿器科の福井巌部長(兼副院長)。
生検兼治療なので、入院は1週間程度。「性格の悪い上皮内がんは、粘膜のどこにあるか分かりにくいためがんの取り残しが多いので、BCGや抗がん剤(マイトマイシンCや塩酸ドキソルビシン)を膀胱に入れる注入療法を行います」。
この「膀胱内注入療法」は膀胱という臓器の特性を利用した治療法。膀胱は尿をためる。そのためるところを利用してBCGや抗がん剤を注入する局所療法が注入療法である。注入療法を行う日は、朝から水分摂取を抑えて臨む。膀胱内にBCGや抗がん剤を長く(約2時間)かつ高濃度にとどめておくためで、BCGの場合、毎週1回の注入療法を6~8回行う。
BCGとは、結核予防に用いられるもので「局所免疫療法」という。作用機序は十分に解明されていないが「BCGががん細胞を直接たたくのではなく、BCGを注入して炎症を起こすのです。するとリンパ球や免疫物質などが出てきてがん細胞をたたいてくれるのです」。
BCGは抗がん剤より2~3倍効果が高いにもかかわらず、患者も医師も第1選択をためらう。「BCGは時に重い副作用があるからですが、私どもは第1選択です。十分な医師の監視のもとで行えば危険なことはありません」。BCG膀胱内注入療法は、内視鏡による切除術を受けたケースで、再発が心配される場合にも再発予防として行われている。
◆膀胱がんの名医
▽国立がんセンター中央病院(東京都中央区)泌尿器科・藤元博行医長
▽帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)泌尿器科・堀江重郎教授
▽静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)泌尿器科・鳶巣賢一院長
March 11, 2006 09:17 AM
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