健康連載ブログ

2006年03月07日

この病気にこの名医Part2

【第55回】薬物、カテーテルなど治療法多数/京大病院米田正始教授

閉塞性動脈硬化症の治療(上)

 動脈硬化は全身の血管で起きるが、とりわけ脚の血管が動脈硬化によって血流が悪くなるのを閉塞(へいそく)性動脈硬化症という。一定の距離を歩くと脚が痛くて歩けなくなる「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」、さらには安静にしていても脚が痛くなり、ついには脚に潰瘍(かいよう)ができ、壊疽(えそ)に至ってしまう。

 「そこまでくると、脚を切断することになってしまいます。この閉塞性動脈硬化症の方々の脚の痛みは、痛みを通り超えた痛み。とにかく大変な痛みです」と言うのは、心筋症、閉塞性動脈硬化症で新しい治療にチャレンジし続けている京都大学医学部付属病院(京都市左京区)心臓血管外科の米田正始教授である。

 この閉塞性動脈硬化症は、1度から4度に分類されており、問診で症状を聞いて分類できる。診察は問診に続いて「上下肢血圧測定」「超音波ドップラー検査」を行うと、閉塞性動脈硬化症の診断はつく。上下肢血圧測定は腕と脚の血圧を測り、上腕動脈最高血圧を足関節の最高血圧で割った数値が0・9以下で疑いがあるものの、間歇性跛行が出てくるのは0・6以下。ちなみに正常なのは1・0以上である。「超音波ドップラー検査」は超音波機器を使って脚の血流状態をみる。このほか、CT、MRI検査、下肢動脈造影検査などで、治療方法を決定する。

 治療方法には「薬物療法」「カテーテル治療」「レーザー血管形成術」「バイパス手術」「血管新生療法」がある。

 薬物療法は、血栓のできるのを抑える抗血小板薬、血管を広げて血流量を少しでも増やす血管拡張薬を中心に使う。これに運動療法のウオーキングを加えると、詰まった血管以外の血液の通り道が細くはあってもバイパスのようにできることが期待できる。

 カテーテル(細い管)治療は狭心症や心筋梗塞(こうそく)のカテーテル治療と同じ血管内治療。閉塞した場所にカテーテルを通し、風船を膨らませて閉塞を治す。再閉塞を防ぐためにコイルを置いてくるステント療法も行われている。

 レーザー血管形成術は、太ももの動脈から直径0・9ミリのカテーテルを挿入し、患部でレーザー光を発すると血栓は霧のように散ってしまう。

 バイパス手術は静脈や人工血管を使って、閉塞した動脈に代わるバイパスを手術で作る治療である。

 「治療方法は数多いので、患者さんは医師と十分に話し合い、納得して最も適した治療を受けるべきでしょう」と、米田教授はアドバイスする。

 ◆閉塞性動脈硬化症の名医
 ▽杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)心臓血管外科・須藤憲一教授
 ▽神奈川県循環器呼吸器病センター(横浜市金沢区)心臓血管外科・梶原博一部長
 ▽名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)循環器内科・室原豊明教授
 ▽京都大学医学部付属病院(京都市左京区)心臓血管外科・米田正始教授

March 7, 2006 10:48 AM

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