2006年03月05日
この病気にこの名医Part2
【第53回】脚に壊疽、切断も/京大病院米田正始教授
閉塞性動脈硬化症(上)
「閉塞(へいそく)性動脈硬化症」の病名を言われても、ピンとこない人が多い。が、次のような説明をすると、周囲にその患者が結構いることが分かる。「道を歩いていて途中で休まないと足が痛くて歩けないという年配の人がいます。そして、しばらく休むとまた歩けるようになります。それはこの疾患の症状です」。
進行すると、脚に血液がいかずに壊疽(えそ)を起こし、脚を切断することにもなってしまう。「動脈硬化によって血管の内腔(ないこう)がどんどん狭くなって、血流が悪くなることが原因で起きるのが『閉塞性動脈硬化症』です」と、京都大学医学部付属病院(京都市左京区)心臓血管外科の米田正始教授は言う。
動脈硬化が原因となると、狭心症、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞へ結び付けるが、それだけではない。「全身の血管に動脈硬化は起こります。その中で閉塞性動脈硬化症というと、下肢の血管に起こる動脈硬化症を一般的には言っています」。
全身の血管に起きる動脈硬化の原因は数多いが、問題の1つは高脂血症である。高脂血症といえばコレステロール。その中でも“悪玉”といわれるLDLコレステロールが血液中に増え過ぎると、血管壁に入り込んでしまう。
血管は内側から内膜、中膜、外膜の3層になっていて、内膜の表面はレンガを敷き詰めたような内皮細胞でコーティングされている。LDLコレステロールは内皮細胞から内膜に入り込み、酸化される。酸化された変性LDLコレステロールを、白血球の一種のマクロファージが食べて泡沫(ほうまつ)細胞になる。
泡沫細胞や破裂した泡沫細胞が集まって脂質プラークを作り、血管は狭くなってしまう。プラークの中は粥状(じゅくじょう)といって、おかゆのような状態なので非常に破れやすく、そのため、血栓ができやすい。「その血栓で血管が詰まる。下肢で起きると閉塞性動脈硬化症です」。
すると、さまざまな症状を引き起こすことになる。
◆閉塞性動脈硬化症のできる場所 全身の血管の動脈硬化症で四肢への血行不良が起こる。いわゆる血行障害。腕にも起きるものの少なく、多くは下肢。それも太ももの部分にある太い動脈、大腿(だいたい)動脈に多く起こる。
◆閉塞性動脈硬化症の名医
▽福島第一病院(福島市)心臓血管病センター・緑川博文センター長
▽千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)循環器内科・小室一成教授
▽千葉西総合病院(千葉県松戸市)心臓センター・循環器科・三角和雄院長
▽東京慈恵会医科大学付属柏病院(千葉県柏市)心臓外科・益子健男助教授
March 5, 2006 09:41 AM
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