2006年03月01日
この病気にこの名医Part2
【第49回】妊娠初期の異常が原因/永田小耳症形成外科クリニック永田悟院長
小耳症(上)
生活習慣病は、本人が生活を改善することで治ったり、コントロールできる。自分でコントロールなどまったくできないのが先天性の疾患である。生まれつき片耳が小さかったり、両耳がなかったりする「小耳症(しょうじしょう)」も、その先天性疾患の1つ。
「母親の妊娠初期は、胎児の器官形成の期間にあたります。この期間に何らかの原因で異常が起きますと、発育不全となって器官形成ができなくなってしまいます。すると、耳が極端に小さいなどの小耳症になってしまうのです」と、小耳症の発生について解説するのは、小耳症手術の世界の第1人者、永田小耳症形成外科クリニック(埼玉県戸田市)の永田悟院長。
発生頻度は6000人から1万人に1人。04年の出生数が110万7000人なので、年間110人から180人と、非常にまれな先天性疾患といえる。性別の比率は男児2に対して女児は1と、男児に多く、両耳、右耳、左耳のどこに異常があるかについては、両耳の子供が20%、右耳の子供が50%、左耳の子供が30%と、右耳に最も多く発生している。
「耳の形成不全の重症度は、耳発生期のどの段階で異常が起きたかで、形態は無限です」。つまり、百人百様の耳の形成不全がある。その中から代表的なケースを分類すると、以下のようになる。
<1>耳垂残存(じすいざんぞん)型小耳症 「一般に耳たぶといっている耳垂と丘状の膨らみがあるだけで、全体としてピーナツ状の形態をしています。耳穴はありません」。
<2>小耳甲介(しょうじこうかい)型小耳症 ほとんど<1>の状態と同じだが、多少耳の陥没が加わっている。
<3>耳甲介型小耳症 耳の中央部の耳甲介陥没があり、その中に耳穴があいている。耳垂も存在している。
<4>無耳症 ほとんど耳のない状態。
さらに、耳の位置も関係する。
<5>頭髪低位 「本来、耳のあるところまで、頭髪がはえている状態です」。
<6>耳甲介型小耳症と頭髪低位の合併
<7>無耳症に広範囲な頭髪低位の合併
以上のような状態に対し、耳鼻咽喉科と形成外科が協力して対応することになる。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆小耳症の名医(日本には1人)
▽永田小耳症形成外科クリニック(埼玉県戸田市)永田悟院長
March 1, 2006 09:10 AM
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