健康連載ブログ

2006年03月24日

この病気にこの名医Part2

【第72回】死亡者数第4位、年間9万5000人/国立病院機構東京病院永井英明医長

肺炎(上)

 日本人の死亡者数を原因別に挙げると「がん」「虚血性心疾患(心筋こうそくなど)」「脳卒中」の順である。では、死亡者数の多さで第4位になるのは-。それは今回取りあげる「肺炎」で、約9%を占め、年間9万5000人を超えている。

 「日常の生活の中で感染して起こる市中肺炎で、28%と最も多い原因となっているのが肺炎球菌です。60歳以上の高齢者に限ってみますと、肺炎球菌が原因の46%を占めています」と、国立病院機構東京病院(東京都清瀬市)呼吸器科の永井英明医長は解説する。そして「日本人の栄養状態が良くなるとともに、肺炎は減少してきましたが、ここへきて再び増加傾向を見せていますので、十分な注意が必要です」と警告する。

 それは、肺炎と似た疾患の風邪やインフルエンザなどと区別ができず「変だなあ!」と思ったときは肺炎が重症になっていたというケースが多いからであろう。

 区別の難しい風邪とインフルエンザと肺炎の違いは-。

 ◆風邪 原因となる病原体はライノウイルス、アデノウイルスなどのウイルス。手や指などからの接触感染が主。発症すると鼻水、くしゃみ、せき、のどの痛みといった症状を出す。熱はそれほど高くなく、高くなっても38度まで。1週間程度で治ってしまう。

 ◆インフルエンザ インフルエンザウイルスが原因。このウイルスに感染した人のせきによって空気中にまき散らされ、それを吸い込んで感染する飛沫(ひまつ)感染が主。38度以上の高熱で、体がだるくなる。関節の節々が痛く、筋肉痛、頭痛も伴う。「このような症状が急に起こるのが大きな特徴です」。

 ◆肺炎 主に細菌、マイコプラズマ、クラミジアの感染が原因。風邪とインフルエンザは主に鼻、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、気管・気管支に炎症が起こるのに対し、肺炎は肺の中に炎症が起こる。そのため、症状は激しく、38度以上の高熱、激しいせき、黄色や緑色のたんが出て、症状は長く続く。
 「このような違いをしっかり知っておいていただくと、的確な対応ができると思います」。それによって、医療機関を受診するタイミングを逃さないと思われる。

 ◆肺炎の名医
 ▽日本医科大学付属病院(東京都文京区)呼吸器内科・工藤翔二教授
 ▽中田クリニック(東京都千代田区)中田紘一郎院長
 ▽国立病院機構東京病院(東京都清瀬市)呼吸器科・永井英明医長
 ▽倉敷中央病院(岡山県倉敷市)呼吸器内科・石田直主任部長

March 24, 2006 07:54 AM

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