健康連載ブログ

2006年03月02日

この病気にこの名医Part2

【第50回】「耳作り」10歳が手術適応年齢/永田小耳症形成外科クリニック永田悟院長

小耳症(下)

 生まれつき右耳が小さい、両耳がないといった先天性の疾患「小耳症(しょうじしょう)」の子供は毎年110人から180人程度生まれている。

 耳には音を聴くという五感の1つがある。子供が小耳症と分かると、治療のために耳鼻咽喉科や形成外科を受診する。「患者さんたちは医師や親の会の紹介で私どものところへ来られます。まずは両耳が小さい両側小耳症では、耳鼻咽喉科で言語発育を得るために、頭からかけるヘッドバンド型補聴器が必要で、幼児期から装着します」と言うのは、永田小耳症形成外科クリニック(埼玉県戸田市)の永田悟院長。小耳症手術の世界の第1人者である。

 耳鼻咽喉科で聴力改善手術を行うか否かの検査を受け、手術適応と判断されるのが小耳症患者の2人に1人、50%。「患者さんが日本の耳鼻咽喉科の専門医の手術を受けた場合、補聴器を外せるようになるのは10人中1人です」。

 ところが、世界に目を向けると、改善率はグンとアップする。「米国のバージニア大学の場合、補聴器なしで日常生活が送れるほどになるのが90%以上です」。患者が少ないまれな先天性疾患だけに、医療の舞台は地球規模になってしまう。

 両側小耳症ではなく片側小耳症は、耳鼻咽喉科の聴力検査で、一方の聴力に問題がなければ、あとはきちっと生きた耳をつくることになる。「形成外科医として、ごく普通に、昔から当然あったように耳を作ります。耳作りに専念するのです」。

 形成外科で耳を作るのは、適応年齢がある。「10歳くらいが手術適応年齢です。この年齢になりますと、成人の耳と大きさがほとんど変わらなくなります。95%くらいの大きさです。そして、胸囲が60センチを超えていることが大事です」。

 6歳くらいで手術が行われていた時代もあった。が、それでは左右の耳の大きさが異なり、将来、再度耳を作り直すことが生じたため、今は10歳となっている。「出生時から、専門医とともに歩むことが大事で、成長をチェックしていくことで、10歳が11歳で手術、もしくは12歳になるかもしれません」。だから、永田院長の手術予定ノートは、10年後まで入っている。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆小耳症の名医(日本には1人)
 ▽永田小耳症形成外科クリニック(埼玉県戸田市)永田悟院長

March 2, 2006 10:40 AM

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