2006年02月19日
この病気にこの名医Part2
【第40回】手術は機能再建のため/東京女子医大山中寿教授
関節リウマチの治療(下)
関節リウマチの薬物療法は抗リウマチ薬を早く使って進行を抑えるのがポイント。その治療で十分に進行が抑えられないときに、次の方法として選択される治療薬は「生物学的製剤」である。
「この生物学的製剤は関節リウマチを悪化させている滑膜から放出されるサイトカインという物質を無力化させる薬です」と説明するのは、東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター(東京・新宿区)の山中寿教授。日本で最初の生物学的製剤「レミケード」が承認されたのは03年7月。検証によると5000症例のうち95%に効果がみられたとの声もあり、最先端の関節リウマチ治療となっている。「今はレミケード以外に『エンブレル』も認可されています」。
レミケードは2時間かけて行う点滴で投与する薬。1回目の投与後は、2週間後に点滴。次は4週間後、その後は8週間おきに点滴する。一方、エンブレルは皮下注射。週に2回注射する。効果と安全が確認されると糖尿病でのインスリン注射のように、自己注射も可能。「投与量が決まっているので、症状の強く出ている人では抑えられないこともあります。が、関節の破壊はかなり抑えられます。長期間使う薬の中では最も効果のある薬です」。
だが、患者全員が投与できる薬ではない。以下のような条件もある。
<1>結核 かつて結核にかかった。生活をともにしている人が結核にかかった。ツベルクリン反応が強陽性になる人。胸のエックス線で影が出る。以上の人々は抗結核薬を使いながら使用する。
<2>体力が低下している人 抗がん剤の投与も体の状態の悪い人には行わない。それと同じで体力低下、寝たきりといった人に使うとリスクが大きい。
このような最先端の薬物療法で治療する一方で、関節の破壊が進行してQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)が悪くなると、機能を再建するために手術(人工関節置換術など)が行われる。「薬物療法か手術といった二者択一ではなく、それぞれが別の目的を持った治療法です。薬は治療のために、手術は機能再建のためです」。
それ以前に、日々のリハビリは欠かせない。関節の可動域をキープするために、1日に1回はすべての関節の曲げ伸ばしを行うべきである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆関節リウマチの名医
▽松原メイフラワー病院(兵庫県社町)リウマチ・整形外科・松原司院長
▽一番町リウマチクリニック(愛媛県松山市)山本純己顧問
▽道後温泉病院リウマチセンター(愛媛県松山市)高杉潔理事長
▽産業医科大学病院(北九州市八幡西区)第1内科・田中良哉教授
▽近藤リウマチ・整形外科クリニック(福岡市中央区)近藤正一院長
▽長崎大学医学部・歯学部付属病院(長崎市)第1内科・江口勝美教授
February 19, 2006 10:52 AM
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