2006年02月18日
この病気にこの名医Part2
【第39回】早期の抗リウマチ薬で炎症抑える/東京女子医大山中寿教授
関節リウマチの治療(上)
関節リウマチは免疫システムの異常で関節などが破壊される自己免疫疾患の1つ。症状の強い弱いなど、まさに患者の状態は1人1人異なる。
だから、東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター(東京・新宿区)の山中寿教授は「それぞれの患者さんの症状、状態に合わせた治療が大事になります」と言う。オーダーメード医療だが、それには何より重要なポイントが的確な診断。その的確な診断にのっとって治療方針が決められ、治療がスタートする。
80年代までは、弱い治療薬から強い治療薬へと段階的に積み上げていくピラミッド型治療だった。「今は最初から強い治療薬を使うといわれます。が、第一線の現場では有効性の高い治療法を徐々に積み上げているのが現状です」。
その有効性の高い治療は-。「それには2つあります」。
<1>「非ステロイド系抗炎症薬」と「ステロイド薬」 現在起きている関節の症状、痛みを抑える治療薬。
<2>「抗リウマチ薬」と「生物学的製剤」 「関節リウマチそのものを抑えて、10年、20年後も関節破壊が進まないようにする薬です」。
この<1>と<2>を上手に使い分けていき、<2>では抗リウマチ薬の使い方がキーポイントとなる。早期から抗リウマチ薬で炎症をきっちり抑えるのである。
抗リウマチ薬としては、リマチル、アザルフィジンEN、リウマトレックスがよく使われている。とりわけリウマトレックスは世界的にもリウマチ治療の標準薬と評価されている。「私どもの施設でも60%以上の患者さんが服用されています」。もともとはがんを抑える薬だったが、少量で関節リウマチを抑えると分かって、抗リウマチ薬として承認された。1週間に1日か2日のみ服用する。
「リウマトレックスは免疫を抑制する作用があるので、ひどい風邪などをひいたときは服用を中止します。そのほか、肝障害、間質性肺炎といった副作用もあるので、定期的に受診して検査を受ける必要があります」。これで関節リウマチの進行が抑えられないときは、生物学的製剤を使うことになる。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆間質性肺炎 酸素と二酸化炭素のガス交換は肺の末端の肺胞、その肺胞腔で行われる。肺胞を囲んでいるのが間質で、そこに炎症が起きるのが間質性肺炎。慢性化して肺が線維化すると肺線維症といわれる。
◆関節リウマチの名医
▽富山大学付属病院(富山市)整形外科・木村友厚教授
▽京都大学医学部付属病院(京都市左京区)臨床免疫科・三森経世教授
▽大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)呼吸器・免疫・アレルギー・感染内科・西本憲弘教授
▽大阪市立大学医学部付属病院(大阪市阿倍野区)整形外科・小池達也助教授
▽兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)リウマチ・膠原病科・佐野統教授
February 18, 2006 10:29 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3379
