2006年02月16日
この病気にこの名医Part2
【第37回】過労禁物、不明治療ダメ/東京女子医大山中寿教授
関節リウマチ(上)
関節の痛みと腫れ、さらに進むと関節の変形にも苦しめられる関節リウマチ。ここで「あれっ?」と思われた人もいるだろう。「慢性が頭に付いていないぞ」と。02年から日本リウマチ学会の提案で正式に病名から「慢性」を外したのである。 「その理由には2点あります」と言って、東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター(東京・新宿区)の山中寿教授は話す。「慢性という言葉が患者さんに与える精神的重圧を軽減したいことが第1点です。第2点は、治療方針や治療薬が改善され、慢性経過をたどらずに治癒に向かっていくことに期待を込めてです」。
関節リウマチと聞くと、高齢者の病気と思う人が多い。が、年齢的には30代から50代の人に多く発症しており、男女比では1対4で圧倒的に女性に多い。患者は100万人を超えているとも推測されている。「病気は何でもそうですが、リウマチも早期発見・早期治療が大事です。そして症状をとる対症療法だけでは駄目で、病気自体を治さないと進行してしまいます」。
関節リウマチのメカニズムは、免疫の異常によって起こる。いわゆる自己免疫疾患である。本来、免疫は体の外から侵入してくる細菌やウイルスなどをたたく自己防御システム。ところが、その免疫が自分自身の体をたたいてしまうのが自己免疫疾患。関節リウマチの場合は関節の中でそれが起こってしまう。
「関節は関節包に包まれており、その内側は滑膜で包まれています。いわゆる背広の裏地のような組織です。その滑膜が現時点ではなぜか分からないが増殖し、軟骨を溶かし、骨を溶かし、関節を破壊するのです」。滑膜の増殖原因は分かってはいないものの、体質的な面に何らかの引き金があって起きているのでは…と考えられている。
「生活習慣病ではないことははっきりしています。だから、何をしたから発症に関係するということがないが、それは逆に、何をしたら改善するということもないのです」。そこで、山中教授が患者に話すポイントは2点。よく覚えておこう。
<1>体力を落とさないようにしましょう。「過労は禁物、また無理なダイエットをしない」。
<2>効果が証明されていない治療に手を出さない。「早く治療を始めることが大事なので、効くか効かないか分からない治療に大切な時間を費やしている暇はありません」。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆関節リウマチの名医
▽北海道大学病院(札幌市北区)第2内科・小池隆夫教授
▽公立黒川病院 (宮城県大和町)整形外科リウマチ科・力丸暘院長代理
▽埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)第2内科・竹内勤教授
▽東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)膠原病・リウマチ内科・宮坂信之教授
▽東京女子医科大学東医療センター(東京都荒川区)整形外科・井上和彦病院長
February 16, 2006 10:09 AM
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