健康連載ブログ

2006年02月14日

この病気にこの名医Part2

【第35回】筋トレなどの保存療法/慶大病院松本秀男助教授

変形性膝関節症の治療(上)

 中高年者に多い変形性膝(しつ)関節症は重症になると、安静にしていてもひざの関節が痛む。また、ひざの曲げ伸ばしが十分にできなくなる。整形外科で診察を受け、変形性膝関節であると診断されると、治療方針が決められる。

 治療は「保存療法」と「手術療法」。患者の状態から判断されるが、基本的にはまず保存療法で様子をみる。保存療法には「筋力トレーニング」「サポーター」「足底板」「薬物療法」がある。

 ●筋力トレーニング 「ひざの関節を支えている筋肉が弱くなると軟骨の擦り減りはより早くなります。そこで筋力をしっかりつけましょう。とりわけ太ももの筋肉の大腿(だいたい)四頭筋を強化するトレーニングが重要です」。慶応義塾大学病院(新宿区信濃町)整形外科の松本秀男助教授は言う。さらに松本助教授は「スイミング、それもバタ足。あとは水中ウオーキング」を勧めた。水の中は浮力があり、膝関節への負担が小さいからである。

 ●サポーター 膝関節の負担をサポーターを使って少なくする方法。ひざを安定させるにもいい。「ひざが痛いときはいいですが、いつも装着しているとサポーターに頼ってしまい、筋力がより低下してしまいます。普段は極力装着しないように指導しています」。

 ●足底板 変形性膝関節症に悩む九十数%は膝関節の内側だけが擦り減っているケース。O脚を生む悪循環に-。「内側に負担をかけず均等な負担となるように使うのが足底板です。靴の中に使う中敷きで、外側が厚くなっています。この矯正装具で悪循環を断ち、痛みも軽減します」。

 ●薬物療法 炎症を抑えるために「消炎鎮痛剤」ののみ薬と外用薬。注射薬としては「ヒルアロン酸製剤」。このヒルアロン酸製剤は「関節軟骨を保護し、治療薬としてはいいのだが、速効性に乏しい。1~2週間に1回の注射を5回行う。これがワンクール。その後は症状を診ながら使います」。ステロイド薬の注射は今日ではあまり使わない。大腿骨の壊死(えし)を起こしたり、感染症を起こしたりするからである。

 最近はサプリメントとして「コンドロイチン」や「グルコサミン」が欧米のみならず、日本でも人気になっている。それについて、「まだ十分に予防、治療に効果があるかは証明されていません」と松本助教授は現状を話した。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆変形性膝関節症の名医
 ▽長野松代総合病院(長野市)整形外科・秋月章副院長
 ▽済生会高岡病院(富山県高岡市)整形外科・金粕浩一副院長
 ▽名古屋医療センター(名古屋市中区)整形外科・リウマチ科・衛藤義人部長・リウマチ科医長
 ▽星が丘厚生年金病院(大阪府枚方市)整形外科・林田賢治医師
 ▽大阪労災病院(大阪府堺市)整形外科・関節外科クリニック・格谷義徳関節外科部長
 ▽大阪大学医学部付属病院(大阪府吹田市)整形外科・富田哲也医師

February 14, 2006 09:07 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3356