2006年02月11日
この病気にこの名医Part2
【第32回】HRTの他に漢方とサプリメントも/西川婦人内科クリニック西川潔名誉院長
更年期障害の治療(下)
日本で更年期障害に対する「女性ホルモン補充療法(HRT)」を受ける女性が多少上向き始めた2000年7月、その上昇を抑えるようなニュースが米国で発表された。
米国国立衛生研究所(NIH)は91年から15年の計画で、閉経後の女性16万人を対象に大規模臨床試験を行ってきた。ところが、その中の約1万6600人を対象としたHRTの影響を追跡する研究の一部で、HRTを受けた人々の乳がん、冠動脈疾患、脳卒中、静脈血栓症の発症率が極めて高くなり、これ以上の研究は必要なしとして中止されてしまったのである。
「より効果的で安全なHRTを行うために、いくつか注意が必要だと思います」と、西川婦人科内科クリニック(大阪市中央区)の西川潔名誉院長。そして、日本更年期医学会などの統一見解として、次のポイントを挙げた。
<1>HRTは薬物療法の選択肢の1つ。リスクとベネフィットを慎重に判断する。
<2>短期のHRTは問題にされていないが、それを患者に説明し、治療開始後は体の異常の有無をしっかりチェック。
<3>心血管系疾患の予防を目的としてはHRTを行わない。
<4>十分な説明をし、納得を得た上で行う。
HRT以外の治療を、と考える人には「漢方薬治療」「代替療法」などがある。漢方薬治療でよく使われるのは「四物湯(しもつとう)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」など数多い。患者の体質、病態などをトータルに診て処方される。「漢方薬はマイルドな効果発現でHRTで効果のない人などの自律神経失調症により効果があります」。
代替療法としては、米国でサプリメントが人気。「特にイソフラボンに注目が集まっています」。注目の大豆イソフラボンの中でも「DRIA」に研究は集中。「更年期症状のほてりについての研究で、8週後には明らかに症状が改善した、と報告されているのです。ただし、このサプリメントは、現時点では補助的なものです」。大豆イソフラボンなので、日本人は食生活でもっと大豆製品を見直す必要があるのかもしれない。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆DRIA 大豆イソフラボンは通常は糖と結合したグリコシド型。これから糖が外れるとアグリコン型になり、抗酸化作用が非常に強い。DRIAとはアグリコン型イソフラボンの略である。
◆更年期障害の名医
▽徳島大学病院(徳島市)産科婦人科・苛原稔教授
▽すみい婦人科クリニック(福岡市南区)澄井敬成院長
▽清水医院(佐賀県武雄市)清水正彦院長
▽さがらクリニック21(鹿児島市)古謝将一郎院長
▽琉球大学医学部付属病院(沖縄県西原町)産婦人科・山城貴恵医師
February 11, 2006 09:04 AM
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