2006年02月06日
この病気にこの名医Part2
【第27回】カテーテル使うPTSMA/京大病院米田正始教授
心筋症の治療(上)
心筋に何らかの原因で変性が生じ、心臓の働きが悪くなってしまう「心筋症」。症状は心不全と共通するところが多いが、症状に気付いたときには心筋症がかなり進行しているケースが多い。それだけに、早期発見が望まれる。
心筋症の診察は聴診、心電図を基本とし、これに心エコー(超音波)検査を加える。さらに、カテーテル検査も加えることが多い。心エコーでは左心室の拡張、動きの低下のほか、弁の異常も診断がつく。これらの診察で心筋症と診断がつくと、まずは内科での薬物療法、生活指導、食事療法となる。とりわけ、心筋症の5年生存率を50%から80%に上げた薬物療法に力が入る。
「心筋が伸び切ったゴム風船のように拡張してしまう拡張型心筋症では、利尿薬のほか、心臓の負担を少なくするACE阻害薬、心筋の酸素消費量を減らすベータ遮断薬がよく使われます。心筋が肥厚する肥大型心筋症には不整脈に用いるジソピラミドやベータ遮断薬など。心筋が硬くなる拘束型心筋症では拡張型とほとんど同じです」と薬物療法を話すのは、心筋症の外科手術で有名な京都大学医学部付属病院(京都市左京区)心臓血管外科の米田正始教授。
これらの薬物療法は、あくまで対症療法であって、根本治療ではない。「3種類の心筋症の中では、肥大型が不整脈が出るといったことはあるにしても、心臓のパワーが保たれていることが多いのです。この肥大型の場合で、大動脈への通り道が狭くなる閉塞(へいそく)性肥大型心筋症ではカテーテルを使った内科的治療もあります」。
その治療は「PTSMA」。薬物療法で効果のなかった患者が対象である。患者の足の付け根の2本の動脈、1本の静脈から心臓にアタック、1本の動脈から左心室にカテーテル(細い管)を通し、左心室の圧を持続的に測る。もう1本の動脈からは、肥大化している左心室と右心室を分ける心室中隔という壁の動脈、中隔枝にバルーンのついたカテーテルを入れる。
そこでバルーンを広げて動脈を遮断。バルーンの先からエタノールを注入する。すると、肥大化していた心筋が壊死(えし)に陥って薄くなる。静脈からのカテーテルは治療中に不整脈が起きた場合の対応策として、一時的にペースメーカーを入れておくのである。
薬物療法が無効なケースで著効するケースがある。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆心筋症(内科)の名医
▽岡山大学医学部・歯学部付属病院(岡山市)循環器内科・大江透教授
▽久留米大学医療センター(福岡県久留米市)循環器科・古賀義則教授(病院長)
▽長崎大学医学部・歯学部付属病院(長崎市)循環器科・矢野捷介教授
February 6, 2006 10:38 AM
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