2006年02月03日
この病気にこの名医Part2
【第24回】歩けるうちに踏み切るべき/東京医科大病院駒形正志助教授
頚椎症性脊髄症の手術
四肢のしびれ、手指の運動障害、歩行障害を引き起こす頚椎(けいつい)症性脊髄(せきずい)症。高齢化によって患者は増加をみせている。症状が出て頚椎症性脊髄症と診断されると、軽症の場合は保存療法を行う。ところが、保存療法の効果はそれほど高いものではない。保存療法の予後調査報告(森田雅和ら、西日脊椎研会誌1994)によると、改善21%、不変23%、悪化9%。そして、47・5%が手術に移行したのである。
その手術について、東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授は「タイミングが重要」と言う。「歩行障害や、手指の運動障害が出ているならば手術選択も行われます。また、進行性の場合も手術になります。高齢者では保存療法の選択が多いものの、歩けなくなってから手術というのでは回復が期待できません。歩けるうちに手術をすべきです」。
手術には「前方法」(前方除圧固定術)と「後方法」(脊柱管拡大術)とがある。前方法は患者の体の前面からアタックする手術。そして、椎骨や椎間板など、神経を圧迫して症状を起こしている部分を取り除く。取り除いた部分には骨盤の骨を移植し、脊椎を固定する。今は骨盤の骨ではなく、セラミックや、チタン合金も使われている。
一方、後方法は患者の体の後面からアタックする手術。狭くなっている脊髄の通り道の脊柱管を広げて、圧迫をなくすもの。その脊柱管をつくっている椎弓の一方を切り離し、セラミックスペーサーを、切り離した骨の部分にはめ込んで脊髄の通り道を広げる方法である。
それぞれの手術には条件がある。前方法の条件は「脊柱管の直径が14ミリ以上」「圧迫個所が2椎間まで」。一方、後方法の条件は、「脊柱管の直径が13ミリ以下と狭い」「圧迫個所が3椎間以上」。では、予後はどちらの方法が良いのか。「10年を超す長期成績の論文では、条件を守って行われた場合、両方とも成績が良いとされています」。そして、今、体に負担の少ない手術として、この疾患においても内視鏡的手術が行われ始めた。「前方法では5~6センチの切り口。これが2センチになったところでメリットは大きく変わりません。手術は時間が2時間以内で終わります。ところが内視鏡的手術は2時間30分から3時間かかります。時間的には手術に軍配が上がります」。
主治医のみならず、もう1人の専門医にも相談。いわゆるセカンドオピニオンをとって最も良い選択をすべきである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆頚椎症性脊髄症の名医
▽京都府立医科大学付属病院(京都市上京区)整形外科・長谷斉助教授
▽国立病院機構大阪南医療センター(大阪府河内長野市)整形外科・米延策雄副院長(骨・運動器疾患センター部長)
▽和歌山県立医科大学付属病院(和歌山市)整形外科・吉田宗人教授
▽厚生連広島総合病院(広島県廿日市市)整形外科・藤本吉範主任部長
▽山口大学医学部付属病院(山口県宇部市)整形外科・リウマチ科・田口敏彦教授
▽総合せき損センター(福岡県飯塚市)整形外科・植木尊善部長
February 3, 2006 09:58 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3284
このリストは、次のエントリーを参照しています: 【第24回】歩けるうちに踏み切るべき/東京医科大病院駒形正志助教授:
» Hydrocodone drugs. from Effects of hydrocodone.
Hydrocodone. Buy hydrocodone. Buy hydrocodone without a prescription. [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年11月29日 07:42
