健康連載ブログ

2006年02月02日

この病気にこの名医Part2

【第23回】軽症の場合は保存療法/東京医科大病院駒形正志助教授

頚椎症性脊髄症(下)

 頚椎(けいつい)症性脊髄(せきずい)症は四肢のしびれ、手指の運動障害、歩行障害を引き起こし、対応が遅れると車いす生活や寝たきりにもなってしまう。

 頚椎症性脊髄症と診断がつくと、軽症のケースには保存療法が一般的である。保存療法には「薬物療法」「装具療法」「頚椎けん引療法」「温熱療法」「生活指導」がある。

 ◎薬物療法 薬物療法で使われるのはビタミンB12、ビタミンE、消炎鎮痛薬、筋弛緩(しかん)薬、抗不安薬、プロスタグランディン製剤、ステロイドなど。「神経の働きを助けたり血液の循環を良くするために使われるのがビタミンB12とEです。手指にしびれがきているときです。消炎鎮痛薬は痛みが強いときに処方します。筋肉が固くなって肩凝りの強いとき、また、手の動きがぎこちないときには筋弛緩薬を使います」と、東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授は薬の処方を話す。

 急性の場合には炎症を抑えるために1週間くらいステロイドが使われることがある。また、血液循環を良くするために血管を拡張するプロスタグランディン製剤も使われる。また、患者が眠れないときには抗不安薬。「抗不安薬や筋弛緩薬については、高齢者では服用すると転びやすくなるケースがあるので、あまり使いません」。

 ◎装具療法 装具を使って頚椎に負担を掛けないようにする方法。よく使われるのが頚に巻き付けるように装用する「頚椎カラー」がある。

 ◎頚椎けん引療法 神経への圧迫を軽くするために、首をけん引する方法。これを行っても症状が全く改善しない人には中止する。

 ◎温熱療法 電気、超音波、極超短波などで患部を温める療法。圧迫されている脊髄に血液がより流れるようになると、症状は楽になる。
 ◎生活指導 「転ばないようにする」「上ばかり見るのをやめる」「たばこはやめる」「寒い日には外出を控える」など、頚椎に負担を掛けない生活を指導する。

 以上の保存療法を行うと、「頚椎症性脊髄症の保存治療の予後調査」(森田雅和ら、西日脊椎研会誌1994)では、改善21%、不変23%、悪化9%であり、47・5%が手術に移行したと報告されている。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆頚椎症性脊髄症の名医
 ▽日本大学医学部付属板橋病院(東京都板橋区)整形外科・徳橋泰明助教授
 ▽東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)整形外科・四宮謙一教授
 ▽東京女子医科大学病院(東京都新宿区)整形外科・伊藤達雄教授
 ▽杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)整形外科・里見和彦教授
 ▽けいゆう病院(横浜市西区)整形外科・鎌田修博副部長
 ▽東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)整形外科・持田謙治教授


【第24回】歩けるうちに踏み切るべき/東京医科大病院駒形正志助教授

February 2, 2006 10:14 AM

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