2006年02月12日
この病気にこの名医Part2
【第33回】90%女性、老化が大きな要素/慶大病院松本秀男助教授
変形性膝関節症
「立ち上がろうとするとひざが痛む」「歩き出すとひざが痛む」、さらに進むと「ジッとしていてもひざが痛む」までになってしまう。このような症状を訴えるかなり多くの人が変形性膝(しつ)関節症の疑いがある。
「中高年以降の方々に発症がみられ、90%以上が女性です」とは、ひざを専門とする慶応義塾大学病院(東京・新宿区)整形外科の松本秀男助教授。そして、その理由を続ける。「女性が男性に比べて筋力が弱いこと、女性ホルモンとの関係などさまざまな理由が考えられていますが、正確な理由はまだはっきりしていません。ただ、いえるのは、変形性膝関節症は老化が大きな要素です」。
明らかな原因がなく老化によるケースがほとんどで、これを1次性変形性膝関節症という。もう1つ、2次性変形性膝関節症は昔、ひざにけがをしたり、関節炎を起こしたことがあり、そういった原因の分かっているケースである。
では、患者の多い1次性変形性膝関節症のメカニズムは-。膝関節は体の中で最も大きな骨である大腿(だいたい)骨と脛(けい)骨を結ぶ関節である。この2つの骨が直接ぶつからないように、また、スムーズな動きができるように骨と骨の各先端部分は弾力性のある関節軟骨でできている。
さらに、2つの関節軟骨間に半月板があって、ショックアブソーバーの役割を果たしている。「その軟骨が加齢によって擦り減ります。また擦り減ると人間の体が反応して余分な骨もできてきます。この余分な骨、骨棘(こつきょく)といいます。このようになると、それまでツルツルだった関節面がデコボコになって動くと痛みの原因になります。また、関節は関節包で包まれていますが、その関節包を関節軟骨の擦り減ったカケラなどが刺激することでも炎症を起こします」。
ひざに水がたまることもある。関節の内側を包んでいる滑膜は関節液を作って軟骨に適度な潤いをもたせたり、栄養を与えている。ところが、その関節液を過剰に作ってしまい水がたまる状態になってしまうのである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆滑膜 関節の内側を包んでいる膜で、関節液を分泌する以外に、関節腔(くう)内の老廃物を取り除いてしまう清掃屋の働きもある。
◆変形性膝関節症の名医
▽北海道大学病院(札幌市北区)スポーツ医学診療科・安田和則教授
▽NTT東日本札幌病院(札幌市中央区)整形外科・井上雅之部長
▽函館中央病院(北海道函館市)整形外科・大越康充診療部長
▽川口工業総合病院(埼玉県川口市)整形外科・星野明穂院長
▽帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)整形外科・高井信朗教授
February 12, 2006 10:31 AM
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