健康連載ブログ

2006年02月25日

この病気にこの名医Part2

【第45回】最短で36時間感染/済生会川口総合病院加藤卓朗部長

水虫(上)

 慢性の感染症の中で、最も日本人と仲が良く、歌にまでなっているのは「水虫」以外にはない。ジャパン・フット・ウィーク研究会が99~00年に行った実態調査では、日本の水虫患者は約2470万人。5人に1人が水虫に感染していることになる。

 水虫は真菌(しんきん=カビ)の一種、白癬(はくせん)菌が足や手に感染して起こる。それ以外の部位に感染するケースもあるが、その場合は名称が異なる。頭に感染すると「しらくも」、またに感染すると「いんきんたむし」と呼ばれている。
 家族に1人、水虫感染者がいると、家族は常に感染のリスクにさらされることになる。「水虫感染者がはだしで家の中を歩き回ると、至るところに水虫菌を散らします。水虫菌だけがフローリングの床に落ちると、2週間程度で死滅します。ところが、人間の皮膚片と一緒に落ちると半年間程度生きています」。「水虫博士」といわれる埼玉県済生会川口総合病院(埼玉県川口市)皮膚科の加藤卓朗部長(東京医歯大臨床教授)が言うように、水虫菌の生存力は強い。だから感染のリスクが高い。それは、人間と共に生きる菌だから……。
「白癬菌にはいくつもあります。土壌中にいるもの、ネコなど動物についているもの、そして人間にくっついているものです」。人間とともに歩む白癬菌は、体に必ずしもくっついているのではなく、人間の環境中にばらまかれている。「日本ではプールや共同浴場、スポーツセンターやゴルフ場の浴場など大勢の人がはだしになる環境が多いですが、このような場所からも足に白癬菌は付着し、感染が起こり得るのです」。加藤部長が行った調査では、多くの人々の集まる浴場のバスマットには、ほぼ100%白癬菌が付着していた。
 足に付着した白癬菌は皮膚の表面の表皮の中の、さらに表面の角質層の中に入り込んで増殖し、さまざまな水虫の症状を出す。もちろん、足が乾燥していると白癬菌は滑り落ちてしまうし、1日1回きれいに足を洗っていると落ちてしまう。ただ、高温多湿状態が長く続くと、最短で36時間で感染した報告もあるが、基本的には48時間以内に足を洗っていると、まずは大丈夫と考えられている。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆水虫罹患(りかん)率 加藤部長らの行った任意集団の調査では、会社員、大学生、ブーツ着用女性の罹患率は65%、24%、23%とかなり高かった。老健施設入居者では、施設A77%、施設B64%などとなっている。

 ◆皮膚科の名医
 ▽さとう皮膚科クリニック(岩手県盛岡市)佐藤俊樹院長
 ▽笠井皮膚科(宮城県多賀城市)笠井達也院長
 ▽高瀬皮膚科医院(茨城県つくば市)高瀬孝子院長
 ▽仲皮膚科クリニック(埼玉県川越市)仲弥院長

February 25, 2006 12:18 PM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3436