健康連載ブログ

2006年02月01日

この病気にこの名医Part2

【第22回】10秒で「グー」「パー」何回できる?/東京医科大病院駒形正志助教授

頚椎症性脊髄症(中)

 40代以降で、手足のしびれや運動障害、歩行障害がありませんか。ひょっとしたら、高齢化に伴って患者が増えている「頚椎(けいつい)症性脊髄(せきずい)症」かも-。この場合、診療科は整形外科になる。

 診察では、まずは問診。患者から詳しく症状を聴く。「頚椎症性脊髄症では手足のしびれ、運動・歩行障害だけではなく、便秘、排尿障害など、膀胱(ぼうこう)直腸障害も出てきます」。東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授は言う。

 問診に続いて神経の身体所見をチェックする。整形外科医はこういうときの検査のために、常に小さなハンマーを持ち歩いている。このハンマーで患者の体をたたいて〝腱(けん)反射〟を診るのである。「ひざのところをたたくとポンとのびます。脊髄が圧迫されると膝蓋(しつがい)腱反射が高進します。手の指の病的反射。足首の異常反射など、神経学的所見を診ます」。

 神経学的所見を診るのに、「10秒テスト」もある。手を前に伸ばして「グー」「パー」を何回できるかを調べる。「20回以上で正常。普通は25~26回くらいはできます。20回以下の場合は脊髄障害が疑われます。障害のある人の手の動きは、手を伸ばす、パーを出すのがゆっくりになります」。

 さらに画像診断が加わる。単純エックス線の画像からは椎間の狭さ、新しくできる骨である骨棘(こつきょく)の有無、脊柱管の狭窄(きょうさく)などが分かる。CT(コンピューター断層撮影)では脊柱管の断面を診ることができる。「その断面は楕円(だえん)形が良いが、頚椎症では三角形になっています」。

 MRI(磁気共鳴画像装置)では脊髄の圧迫されている状態が分かる。「さまざまな画像診断も加えますが、最も大事なのは問診と神経学的所見です。MRIで脊髄が圧迫されているように見えても、症状のない人が多いのです。まずは患者さんを診ることが大事です」。
 そして、診断が下されるのである。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆MRI 磁気を体内の水分に反応させ、得られた信号をコンピューター解析して画像を作る。その画像から病変部を発見する。あらゆる角度の断面像を見ることができる。

 ◆頚椎症性脊髄症の名医
 ▽東京歯科大学市川総合病院(千葉県市川市)整形外科・白石建教授
 ▽東京医科大学病院(東京都新宿区)整形外科・駒形正志助教授
 ▽慶応義塾大学病院(東京都新宿区)整形外科・戸山芳昭教授
 ▽東京大学医学部付属病院(東京都文京区)整形外科・星地亜都司講師
 ▽九段坂病院(東京都千代田区)整形外科・中井修副院長
 ▽駿河台日本大学病院(東京都千代田区)整形外科・松崎浩巳教授

February 1, 2006 10:26 AM

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