健康連載ブログ

2006年01月31日

この病気にこの名医Part2

【第21回】手足しびれ、はし持てない/東京医科大病院駒形正志助教授

頚椎症性脊髄症(上)

 「最近、頚椎(けいつい)症性脊髄(せきずい)症で手術を受けられる方が増えてきました。私どもの施設では10年前は年間10例の手術でしたが、今は年間40~50例になっています」と指摘するのは、東京医科大学病院(東京・新宿区)整形外科の駒形正志助教授。

 駒形助教授の分析では、増加の理由は3点に絞られる。<1>高齢化<2>手術の技術が大きく進歩した<3>成績が理解されるようになった。「古い論文をみると、頚椎症の手術を7例行って4例生存などと書いてあり、患者さんは怖くて手術が受けられなかったのだと思います。その技術が大幅に進歩し、手術後に車いす生活になるようなことはなくなったからです」。

 頚椎症性脊髄症とは、05年に初めて発表された「診療ガイドライン」によると、「頚椎脊柱管の狭い状態に経年的な頚椎の変化に頚椎の前後屈不安定性や軽微な外傷が加わって脊髄麻痺(まひ)を発症する疾患の総称」となっている。これを分かりやすく紹介すると、頚(くび)の脊椎である頚椎部が加齢変化により、椎骨に新しい骨である骨棘(こつきょく)ができたり、椎間板が薄くなったり、断裂したり、靭帯(じんたい)が厚くなったりして、脊髄を圧迫するようになった病気である。もともと脊髄が通っている脊柱管が狭いと起こりやすい。

 「40歳以降に見られますが、増えるのは50歳以降です。男女比では男性の方が女性の2倍多くなっています。その理由は不明です。肉体労働をしたり、より男性の方が活動的だからかもしれません」。このほか、頚の外傷経験があったり、激しいスポーツをしていたり、喫煙者は起こりやすいといわれている。

 症状は感覚神経の症状として「手足がしびれる」「指の感覚が鈍い」といった四肢の感覚障害が出る。運動神経の症状として「手指が使いづらく、はしを持てない、服のボタンが留めにくい」「足がふらつき、手すりにつかまらないと歩けない」などの運動障害が出てくる。実際には両方の障害が出てくる場合が多い。

 【医学ジャーナリスト松井宏夫】

 ◆骨棘 椎間板が薄くなったりすると、体はそれを補おうとするので骨の生成が活発になる。結果、棘のように出っ張った新しい骨ができる。これが骨棘で、脊柱管を狭くしてしまう。

 ◆頚椎症性脊髄症の名医
 ▽北海道大学病院(札幌市北区)整形外科・鐙邦芳教授
 ▽えにわ病院(北海道恵庭市)整形外科・佐藤栄修副院長
 ▽八戸市立病院(青森県八戸市)整形外科・末綱太部長
 ▽東北大学病院(仙台市青葉区)整形外科・国分正一教授
 ▽群馬脊椎脊髄病センター(群馬県高崎市)清水敬親センター長
 ▽埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)
整形外科・平林茂助教授

January 31, 2006 08:22 AM

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