2006年01月26日
この病気にこの名医Part2
【第16回】治療法なし 痛み抑えて完治待つ/東京逓信病院江藤隆史部長
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹(ほうしん)の痛みや赤い発疹は、治療を行うと2週間くらいで治り、何もしなくても4週間ほどで治ってしまう。もちろん、皮膚が治るにしたがって痛みも自然に消えていく。
ところが、帯状疱疹にかかった人の約10%は、皮膚が完全に治っても激しい痛みが残り、大変に苦しむケースがある。これが「帯状疱疹後神経痛」である。その痛みは激しく、さまざまに表現される。
「長期にわたり万力で締め付けられるように痛む」「皮膚の表面が焼けるように痛む」「皮膚のすぐ下が1日に何度も刺すように痛む」「身動きできないような激痛が1日に7、8回、1分から数分間続く」など。
「短い人は数カ月で痛みから解放されますが、長い人になると2~3年。いや、もっと長く10年くらい痛みに悩まされている人もいます」と言うのは、東京逓信病院(東京・千代田区)皮膚科の江藤隆史部長。そして、続ける。「帯状疱疹後神経痛は神経がダメージを受けて変性しており、それを治す方法はほとんどありません。ゆっくり治るのを待つだけです。だから、痛みを和らげるしかないのです」。
四六時中痛みが続くと、患者はやる気がなくなるばかりか、うつ症状もでてきてしまう。
治療は、まずは薬物療法。消炎鎮痛薬で痛みを取り除く。「ある程度、痛みが抑えられるので、それを併用しながら局所麻酔外用薬や消炎鎮痛薬の外用薬も使います。さらに、抗うつ薬の併用を行うこともあります」。
また、麻酔科と相談して神経ブロックが週に3回くらい行われたりもする。いわゆるペインクリニックである。「重症になると入院して麻酔科で毎日神経ブロックを受けてもらうこともあります」。
痛みを取り除くことは非常に重要な治療なのである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆神経ブロック 痛みの起きている神経の枝に局所麻酔薬を注射して神経の痛み伝達をブロックする方法。三叉(さ)神経ブロック、星状神経ブロック、硬膜外ブロックなどが帯状疱疹後神経痛には行われている。
◆帯状疱疹の名医
▽和歌山県立医科大学病院(和歌山市)皮膚科・古川福実教授
▽奈良県立医科大学付属病院(奈良県橿原市)皮膚科・浅田秀夫助教授
▽岡山大学大学院医学部・歯学部付属病院(岡山市)皮膚科・岩月啓氏教授
▽北九州市立医療センター(北九州市小倉北区)皮膚科・今福信一主任部長
▽福岡大学病院(福岡市城南区)皮膚科・中山樹一郎教授
▽久留米大学病院(福岡県久留米市)皮膚科・安元慎一郎助教授
January 26, 2006 09:14 AM
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