2006年01月25日
この病気にこの名医Part2
【第15回】7から8日の入院が効果的/東京逓信病院江藤隆史部長
帯状疱疹(下)
痛みと小水疱(すいほう)に悩まされる帯状疱疹(ほうしん)は、子供のころに経験した水痘(すいとう=水ぼうそう)ウイルスの再活性化によって起こる皮膚疾患。全身のどの知覚神経にも出る可能性はあるが、部位によっては障害を引き起こすこともある。
「目に疾患が及ぶと角膜が障害されて視力が低下します。耳周辺の場合は聴力障害に加えて顔面神経麻痺(まひ)が高率に起こります。さらに、帯状疱疹が治った後も痛みに悩まされる帯状疱疹後神経痛もあります。そうならないためにも帯状疱疹の治療は、発疹(ほっしん)が出てできるだけ早く(3日以内)に行うのがいいといわれています」と、東京逓信病院(東京・千代田区)皮膚科の江藤隆史部長は言う。
早期診断、早期治療が大事。一定の知覚神経にそって神経痛のような痛みがあり、3~4日後に浮腫性の紅斑を主体とする発疹やびらんが出て、次第に帯状に分布するので診断は容易である。
治療は薬物療法。抗ウイルス薬が使われる。塩酸バラシクロビル(商品名バルトレックス)の経口薬が多く用いられている。「抗ウイルス薬の内服は、かつて1日5回だったものが1日3回になり、有効性も高いですね」。
抗ウイルス薬を1週間服用。外用薬は抗菌外用薬を使って皮膚の潰瘍(かいよう)やびらんをそれ以上悪化させないようにする。不眠には睡眠薬。腹部の場合は便秘症状が出るので、下剤を併用。顔面のケースには早くから眼科、耳鼻咽喉科と協力して治療を行う。
「経口薬が良くなっているとはいえ、やはり抗ウイルス薬の点滴静注(静脈注射)の方がより効果的です。血中濃度がきちんと上がって組織にもしっかり移行しますから…。加えて、入院することで安静が保てます。私どもでは、病床にゆとりがあるので積極的にすぐに入院してもらうようにしています」。
抗ウイルス薬による治療に加え、免疫力の低下が原因なので体力回復も大きな治療の1つ。そのために7~8日間の入院はより効果的なのである。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆塩酸バラシクロビル 帯状疱疹の治療薬として2000年10月に認可された抗ウイルス薬。1日3回の内服で、帯状疱疹後神経痛に至る率を低下させるなど、極めて有用性が高いと評価されている。
◆帯状疱疹の名医
▽日本医科大学付属病院(東京都文京区)皮膚科・三石剛助教授
▽NTT東日本関東病院(東京都品川区)皮膚科・五十嵐敦之部長
▽かやば町皮膚科(東京都中央区)・新村真人医師(東京慈恵会医科大学名誉教授)
▽東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)皮膚科・小沢明教授
▽厚木市立病院(神奈川県厚木市)皮膚科・小松崎真医師
▽三重大学医学部付属病院(三重県津市)皮膚科・黒川一郎助教授
January 25, 2006 08:21 AM
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