2006年01月20日
この病気にこの名医Part2
【第10回】腹囲基準で日米に相違/東京逓信病院宮崎滋部長
メタボリックシンドローム(下)
注目のメタボリックシンドローム(内臓脂肪型生活習慣病)の有病率は「端野・壮瞥町研究」「久山町研究」の疫学調査結果によると、40歳以上の中高年男性が約30%、女性が約10%。およそ日本人の1300万人がメタボリックシンドローム患者だという。
診断基準は「腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上」の内臓脂肪肥満がある。その上に以下の3つのうち2つ以上当てはまる。<1>中性脂肪が150ミリグラム/デシリットル以上、またはHDLコレステロールが40ミリグラム/デシリットル未満<2>上の血圧が130ミリHg以上、または下の血圧が85ミリHg以上<3>空腹時血糖値が110ミリグラム/デシリットル以上。
このメタボリックシンドロームは動脈硬化に結び付き、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞といった血管病を引き起こすから、厚生労働省も今年からメタボリックシンドローム撲滅キャンペーンを後援する予定になっている。
ただ、この診断基準の基本は内臓脂肪肥満。その点には何の問題もないのだが、腹囲については、日本と米国では大きな違いがある。米国の診断基準では以前は男性が102センチ、女性が88センチだったのが新基準では男性94センチ、女性80センチに短くなったが、まだ日本とは男女逆の数値になっている。
この疑問について、メタボリックシンドローム診断基準検討委員会委員の、東京逓信病院(東京都千代田区)内分泌代謝内科の宮崎滋部長は次のように話す。「住友病院の松沢佑次院長の研究グループがCT(コンピューター断層撮影)を使って内臓脂肪面積を測定。その面積が100平方センチ以上あると肥満に関連する合併症が起こりやすいという事実を明らかにしました。そのときの腹囲が男性85センチ、女性90センチだったのです。ほとんどの女性は男性と違って内臓脂肪が蓄積するときには皮下脂肪の蓄積を伴うのです。一方、米国の場合はBMIが30の人の腹囲を測ってあの数値に決めたのです。BMIで決めると内臓脂肪型も皮下脂肪型もごちゃごちゃになり、男性の方の腹囲が大きくなります。日本は科学的根拠に基づいたものになっているのです」。
この数値についてはどのように整合性をとるのか。国際的課題になると思われる。
◆BMI ボディー・マス・インデックスの略。体重(キロ)÷身長(メートル)÷身長(メートル)で計算された体格指数で、肥満度を知る。病気になる人の最も低い数値が22。これを標準にして25以上を肥満としている。
◆メタボリックシンドロームの名医
▽東京逓信病院(東京都千代田区)内分泌代謝内科・宮崎滋部長
▽東京大学医学部付属病院(東京都文京区)腎臓・内分泌内科・藤田敏郎教授
▽帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)内科・寺本民生教授
▽慶応義塾大学病院(東京都新宿区)血液・感染・リウマチ内科・池田康夫主任教授
January 20, 2006 11:11 AM
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