2006年01月19日
この病気にこの名医Part2
【第9回】ベースは内蔵脂肪蓄積/東京逓信病院宮崎滋部長
メタボリックシンドローム(上)
05年は「メタボリックシンドローム」が大きな話題となった。04年から日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会など8学会によって検討され、05年4月に「メタボリックシンドロームの疾病概念の確立と診断基準」が発表された。その定義は「内臓脂肪の蓄積と、それを基盤にしたインスリン抵抗性および糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を複数合併するマルチプルリスクファクター症候群で、動脈硬化になりやすい病態」である。
「つまり、動脈硬化の危険因子は高血圧、高脂血症、糖尿病など数多い。それらはそれぞれ単独でも十分動脈硬化の危険因子だが、それらが1つ1つ軽症でも、おなかの脂肪がたまり、その上にいくつか重なった場合、より短期間に動脈硬化が進むということなのです」と、メタボリックシンドローム診断基準検討委員会の委員でもある、東京逓信病院(東京都千代田区)内分泌代謝内科の宮崎滋部長は言う。
動脈硬化が促進すると、いわゆる血管病を引き起こす。狭心症、心筋梗塞(こうそく)といった虚血性心疾患や脳卒中で、死亡者数は約30万人、がん死亡者数と匹敵する。
怖い疾患に結び付くメタボリックシンドロームの診断基準は、次の通りである。まず、ベースになるのが「腹腔(ふくくう)内脂肪蓄積」。<1>肥満 おへその腹囲が男性は85センチ以上。女性は90センチ以上。「おへその位置の腹囲がポイントで、内臓脂肪がどれくらいたまっているかをチェックします。<1>がある人で、以下の3項目中2項目以上当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます」。
<2>高脂血症 中性脂肪が150ミリグラム/デシリットル以上、またはHDLコレステロールが40ミリグラム/デシリットル未満。
<3>高血圧 上の血圧が130ミリHg以上、または下の血圧が85ミリHg以上。
<4>糖尿病 空腹時血糖値が110ミリグラム/デシリットル以上。
「これまでは動脈硬化の原因となると、コレステロールばかりが注目されていました。が、もっと危険なものがありますよ、ということを強調したいのです」。今、メタボリックシンドロームと診断される日本人は1300万人以上いるという。
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
◆メタボリックシンドロームの名医◆
▽札幌医科大学付属病院(札幌市中央区)第2内科・島本和明教授
▽筑波大学付属病院(茨城県つくば市)代謝内分泌内科・山田信博教授
▽埼玉医科大学付属病院(埼玉県入間郡)内分泌内科・糖尿病内科・片山茂裕教授
▽千葉大学医学部付属病院(千葉市中央区)糖尿病・代謝・内分泌内科・斉藤康教授
◆糖尿病の診断基準 糖尿病の診断では、空腹時血糖値で診ると126ミリグラム/デシリットル以上だが、メタボリックシンドロームでは110ミリグラム/デシリットル以上となっている。この数値は糖尿病予備軍と診断される数値。内臓脂肪型肥満があると、その段階からリスクになってしまう。
January 19, 2006 09:12 AM
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