2006年01月17日
この病気にこの名医Part2
【第7回】症状に合わせ治療法選択/順天堂医院天野篤教授
心臓弁膜症(下)
心臓弁膜症が増えている。<1>日本人の体形の欧米化<2>高齢化<3>食生活の欧米化<4>高血圧、糖尿病の増加、そして、それらが血管に引き起こす<5>動脈硬化などにより、心臓の弁に異常が起きる。初発症状は「息切れ」や「動悸(どうき)」が多い。
その症状を放置しておくと心不全に。また、不整脈を起こしてまれに突然死に結び付くこともある。「息切れ」の症状から呼吸器疾患と間違えられているケースもあり、しっかりと診察を受ける必要がある。
心臓弁膜症には8種類の疾患があるが、その多くを占めるのが「僧帽弁閉鎖不全症」と「大動脈弁狭窄(きょうさく)症」。診断が確定すると、治療になる。心臓弁膜症の治療には内科治療である「薬物療法」「カテーテル治療」、外科治療の「弁置換術」「弁形成術」が行われている。患者の状態、症状などにより十分な話し合いの上で治療方法が選択される。
◎薬物療法 「血管拡張薬と利尿薬が中心となり、両方を一緒に使ったり、別々に使ったりします」。心臓弁膜症などの手術で定評のある順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)心臓血管外科の天野篤教授は言う。血管拡張薬は血管を拡張することでうっ血や逆流を改善させる。利尿薬は心臓のポンプ作用が不十分で起きるうっ血、むくみを尿量の確保によって改善させる。「このほかに、患者さんの症状を診ながら、心臓のパワーアップを図る強心薬などが加えられます」。もちろん、薬だけで改善するわけではなく、日常生活でも心臓に負担をかけ過ぎないようにする必要がある。強い運動をしたり、重い物を持ったりすることは控え、1日の流れをゆったりさせる。塩分や水分の取り過ぎも心臓に負担をかけるので制限する。
◎カテーテル治療 患者の多い僧帽弁閉鎖不全症ではなく、僧帽弁狭窄症においてのみ行われているのが経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)。脚の付け根の静脈からカテーテル(細い管)を僧帽弁にまで入れ、狭窄している僧帽弁をバルーン(風船)で膨らませて広げる方法。ただし、この方法は5~10年くらいで再狭窄してしまう。閉鎖不全症に対するカテーテル治療も欧米では模索されているが、まだ十分な効果が確認されていないので日本国内では行われていない。
そして、次の治療方法は外科治療となる。
◆心臓弁膜症の手術の名医
▽名古屋大学医学部付属病院(名古屋市昭和区)心臓外科・上田裕一教授
▽滋賀医科大学付属病院(滋賀県大津市)心臓血管外科・浅井徹教授
▽京都大学医学部付属病院(京都市左京区)心臓血管外科・米田正始教授
▽神戸大学医学部付属病院(神戸市中央区)心臓血管外科・大北裕教授
January 17, 2006 10:08 AM
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