2006年01月16日
この病気にこの名医Part2
【第6回】狭窄と閉鎖不全の2タイプ/順天堂医院天野篤教授
心臓弁膜症(中)
心臓の弁が正常に機能しなくなる心臓弁膜症は、毎年約1万人が手術を受けている疾患である。病型としては弁の狭窄(きょうさく)と閉鎖不全の2つのタイプがあり、僧帽弁では閉鎖不全症が、大動脈弁では狭窄症が多くなっている。
「僧帽弁を支えている腱索(けんさく)が切れて弁がきっちり閉じなくなった僧帽弁閉鎖不全症は、日本人の体が欧米化して大きくなり、ヒョロっとしてきたことで増えてきました」と、順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)心臓血管外科の天野篤教授は言う。「さらに、高血圧の素因を持った人が増えており、それが弁に負担をかけているのです」。
一方、大動脈弁狭窄症は大動脈弁が動脈硬化によって変化し、狭くなってしまう。大動脈弁の開きが十分でないと、全身をめぐる血液量は低下して、心不全のみならず脳貧血症状から失神といった症状を引き起こすことさえある。「大動脈弁狭窄症は動脈硬化が原因なので、患者さんは60代以降の方々がほとんどです。ただ、動脈硬化の素因のある人はより早く発症する可能性があります。透析を受けている人、糖尿病のコントロールがしっかりできていない人はリスクが高まります」。
このほか、先天的に大動脈弁に異常のある場合もある。大動脈弁は3枚の葉っぱによって弁を形成している形になっている。が、その葉が2枚しかないのである。「カラ咳(せき)」「息切れ」「動悸(どうき)」「失神」などの症状を訴えて受診すると。次の検査が行われる。
◎問診、聴診 医師が患者に症状などを具体的に聞き、また、聴診器を用いて心音を聞く。これだけでも弁の異常は診断できる。
◎心エコー検査 超音波を使った心臓の画像検査。この検査で4つの弁のうち、どの弁に異常があるかが分かる。さらに重症度を「カラードップラー検査」で調べる。
◎経食道心エコー検査 胃カメラのような形状の超音波装置を患者の口から食道へ入れ、心臓内の弁の様子を調べる。食道が心臓後面に接しているため体外から観察するより画像が鮮明。
「弁と心臓の関係を詳細に調べることで必要な治療法と経過の予測を知ることができます」。
◆心臓弁膜症の手術の名医
▽順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)心臓血管外科・天野篤教授
▽半蔵門循環器クリニック(東京都千代田区)心臓血管外科・加瀬川均院長
▽葉山ハートセンター(神奈川県葉山町)心臓血管外科・磯村正院長
▽豊橋ハートセンター(愛知県豊橋市)心臓血管外科・大川育秀副院長
◆大動脈弁の仕組み 左心室から血液が大動脈へ押し出されるところにある弁が大動脈弁。葉っぱのような膜が3枚ついた形の弁である。肺動脈弁、三尖(せん)弁も同じ形態だが、僧帽弁だけは2枚の膜からなっている。
January 16, 2006 10:00 AM
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