2006年01月12日
この病気にこの名医Part2
【第2回】長期間続くと食道がんも/兵庫医大病院 三輪洋人教授
逆流性食道炎(中)
逆流性食道炎に悩まされる人が増えている。強い酸の胃液が食道に逆流して、食道の壁に炎症や潰瘍(かいよう)を起こすのが逆流性食道炎。物が食べられなくなるほどQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を悪くする。それだけでも大変なのに、さらに、その状態が長期間続くと食道がんにも結び付いてしまうから“たかが胸焼け”などと言ってはいられない。
「食道の管の最も内側は粘膜層で、この部分の細胞は扁平(へんぺい)上皮細胞からできています。逆流性食道炎を繰り返していると、扁平上皮細胞が胃粘膜に似たバレット上皮に変化しやすくなります」と話すのは、逆流性食道炎の治療・研究の第一人者、兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)消化器内科の三輪洋人教授。
日本人に多い食道がんは扁平上皮がん。皮膚や器官の粘膜表面に生じる。ところが、食道の扁平上皮細胞が逆流性食道炎でバレット上皮に変化すると、内臓の分泌物を出す上皮に生じる腺がんができやすくなる。一説では、バレット上皮ができていると、それのない人に比べて食道がんを発生する率が20~40倍も高くなるともいわれている。
「食道がんのリスクも確かにあります。可能性としてバレット上皮になるとより食道がんになりやすい。ただ、頻度としては高くはありません。米国でも約2億人のうちバレット上皮にできるがん死亡者は1万人いるかいないかの状態です。あまり不安がらないほうがいいかもしれません」と、三輪教授は優しく言う。が、今後の変化は分からない。
例えば今の10代、20代、30代の人は胃・十二指腸潰瘍の原因になっている胃にすむヘリコバクター・ピロリ菌の保菌率が数%から20%と低い。そのため、胃が元気で胃酸も豊富に出るので逆流性食道炎に悩む人が多い。さらに、保菌率80%を超える50代以降の人々も除菌をする人が増え、その除菌成功者の約10%に逆流性食道炎に悩む人が出ている。
このようにバレット上皮予備軍が増えれば増えるほど食道がん罹患(りかん)者も増えると思われる。逆流性食道炎は良性疾患ではあっても、自覚症状がある場合は、QOLを悪くしないうちに治療を受けるべきだろう。
◆食道 食道は飲食物を胃へ送る直径3センチ、長さ約25センチ程度の管状のピーンと張り詰めた器官。気管の背部、心臓の後ろを通って胃につながることで分かるように、背骨に近い奥を通っている。
◆逆流性食道炎の名医
▽東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)食道胃外科・河野辰幸助教授
▽虎の門病院(東京都港区)健康管理センター・星原芳雄付部長
▽東海大学医学部付属病院(神奈川県伊勢原市)消化器外科・幕内博康教授(病院長)
【医学ジャーナリスト松井宏夫】
January 12, 2006 09:22 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3154
このリストは、次のエントリーを参照しています: 【第2回】長期間続くと食道がんも/兵庫医大病院 三輪洋人教授:
» Ephedrine. from Ephedrine from sugar recipe.
Ephedrine. Ephedrine to buy. Sell ephedrine. Pseudo ephedrine veterinary. [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年12月18日 03:53
