健康連載ブログ

2006年01月06日

中年男の養生学

【第29回】軽度のうつ状態で不眠に

「不眠はうつ病のサイン」

 仕事や家庭の問題などを抱え、布団に入ってもなかなか寝付けないという人はいる。あれこれと思考を巡らし、気が付けば夜が白むころに。しかし、そんな状態が長く続けば続くほど、別の病気が牙をむく。

 「軽度のうつ状態により、不眠になるケースは増えています。ご本人は、うつ状態に気付かず、不眠の症状に悩み、睡眠薬などの薬を服用して解決しようとします。しかし、根本的なうつ状態が解決しない限り、不眠を解消することが難しいのです」と、精神科医として多くの治療にあたっている田中クリニック銀座(東京都中央区)の田中利幸院長は言う。

 「『自分はダメな人間だ』などと考えたり、物事を決めたり実行することが困難になるなど、うつ状態が2週間以上も続くと、日常生活に支障が生じます。これがうつ病です」(田中院長)。自覚のない軽症のうつ病は、不眠だけでなく、食欲不振、体重減少、頭痛、肩凝り、目まい感などの身体症状として表れやすい。さらに、やる気はあるのに仕事に集中ができない、判断力の低下などの精神症状が加わる。

 「よくうつ病は、心の風邪で薬を短期間でのめば治るという言葉を聞きます。しかし、原因が身体の病気や性格、環境などが関係しているときは、それほど簡単に治るものではありません」(田中院長)。うつ病の要因は、自分にとって大切なもの(対象)を失った「心因的要因」、職場や家庭内の問題などが悪化した「環境的要因」、ストレスや慢性的な疲労により身体のバランスを崩した「身体的要因」、きちょうめんでまじめな性格など「性格的要因」がある。このような要因により脳の中の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)のバランスが崩れ、うつ病を引き起こすと考えられている。

 「うつ病の原因は大きく分けて3つあります。身体の病気や薬が原因の『身体因性うつ病』、性格や環境が原因となって起きる『神経症性うつ病』、そして、原因がはっきりしないうつ状態による『内因性うつ病』です。内因性うつ病は、短期間で治ることがありますが、その他のうつ病は、治療は容易ではないのです」(田中院長)。

 だからこそ、重症化する前に「早期発見早期治療が重要」と、田中院長は強調した。

 【医療ジャーナリスト安達純子】

January 6, 2006 08:32 AM

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