健康連載ブログ

2006年01月04日

中年男の養生学

【第27回】太陽光不足がうつ病原因に

「日照不足がうつ病の原因になる」

 冬場は外出を控えたいと思う人はいるだろう。身が縮むほどの木枯らしの中、ゴルフどころかスキーをするのも避けたい。休日は、暖かい布団の中でゴロゴロ。しかし、そんな生活が、うつ病に結び付く。

 「太陽光不足は、軽症うつ病の原因になると考えられています」と警鐘を鳴らすのは、ひもろぎ心のクリニック(東京都豊島区)の渡部芳徳理事長(精神科医)。男性更年期障害に伴ううつ病の治療を、帝京大学医学部付属病院泌尿器科と連携して行うなど、心の病のエキスパートである。

 「患者さんの中では、SE(システム・エンジニア)でうつ病にかかる人が多い。その方々の生活パターンと、冬場にかかりやすい季節性のうつ病に共通してるのは、日照不足なのです」。SEとして室内の仕事を行っていると、外出する機会がない限り、あまり日光に当たることはない。30代のSE、Aさんは早朝から深夜まで仕事に打ち込んでいた。運動することはなく、食事も職場で済まし、休日はひたすら眠る生活を続けていた。そんなある日、体が重く出勤するのがつらい状態になった。仕事への意欲も薄れ、小さなミスも連発するようになった。上司の勧めで病院を受診し、うつ病であることが判明した。

 では、なぜ日照不足が、うつ病を引き起こすのか。「脳内の神経伝達物質セロトニンとメラトニンが関係していると考えられます。セロトニンの不足によりうつ病が起こる報告は数多くありますが、セロトニンは暗くなると活動を停止し、代わってメラトニンが活動するのです。メラトニンの分泌が多くなり過ぎても、うつ病を引き起こすといわれています」(渡部理事長)。

 仕事柄、日中の室内での作業が多くても、日照時間の短い冬場に外出を控えていても、セロトニンは不足しやすくメラトニンは過剰になりやすい。「セロトニンのもとになる必須アミノ酸の1つトリプトファンが不足すると、炭水化物を摂取したくなります。女性はパスタばかりを食べたくなったり、ごはんやうどん、そばなどを食べたいと思うようになるのです」(渡部理事長)。

 日の光に当たる時間が少なく、炭水化物を欲するようになったら要注意。うつ病にならないためにも「太陽光線に十分あたること」(渡部理事長)。日照不足はうつ病の原因になると心得よう。

 【医療ジャーナリスト安達純子】

January 4, 2006 08:35 AM

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