2006年01月02日
中年男の養生学
【第25回】「低血糖症」に注目
「不規則な食生活でパニック障害」
多忙な日々を送っていると、食生活は不規則になりがち。だが、それが引き金となりパニック障害に陥ることが…。激しい動悸(どうき)や呼吸困難、体の震えといった症状に加え、急激に膨らむ強い不安などが伴う発作が繰り返されるのだ。
「女性の方が男性の2倍かかりやすいといわれていますが、最近、男性の患者さんも増えています」。こう話すのは、ひもろぎ心のクリニック(東京都豊島区)の渡部芳徳理事長(精神科医)。「パニック障害は治る」(主婦の友社)の著者である。
パニック障害は、1960年代にニューヨークの精神科医クライン博士が見い出した。世界的にその病名が使われるようになったのは90年代。日本ではパニック障害に適応する薬「パロキセチン」が処方され始めた00年ごろからだ。「福島県白河市でもクリニックを開設していますが、パニック障害が見られるのは主に東京のクリニックの患者さんです。いわば大都市病。私は、食生活が関係していると考えています」(渡部理事長)。
パニック障害は、脳の中の神経伝達物質がうまく伝わらなかったり、間違って伝わったりすることから、予期しない発作や不安、恐怖に襲われるといわれている。その原因は、神経伝達物質の1つセロトニンが不足する、あるいは、別の神経伝達物質ノルアドレナリンが分泌過剰になるなど、諸説ある。渡部理事長は、食生活の乱れに伴う「低血糖症」に注目している。
血糖値は、甘い物などを食べると急激に上昇。それを正常に戻すためにインスリンが分泌される。しかし、甘い物などを食べ続けていると、血糖値を正常に戻す必要がないときにも、インスリンが多量に分泌され、低血糖の状態に陥ってしまう。「低血糖になるとイライラします。そのため、甘い物が欲しくなります。しかし、その状態が続くと、血糖値の上昇が緩やかな穀類などを食べたときに、急性の低血糖症に陥り、気分が悪くなることがあるのです。それがきっかけで、パニック障害になった患者さんはいます」(渡部理事長)。
食生活の乱れは、生活習慣病などの身体的な疾患だけでなく、心の病にも結び付く。パニック障害は、重症になると日常生活にも支障をきたす。発作が起きたならば、早めに専門の病院を受診しよう。
【医療ジャーナリスト安達純子】
January 2, 2006 10:42 AM
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