2006年01月01日
中年男の養生学
【第24回】不規則な睡眠が引き金に
「不規則な睡眠が男性更年期障害のきっかけに」
男性更年期障害の治療では、男性ホルモン補充療法など薬剤を用いるだけでなく、生活環境の改善も指導している。そのカギを握る1つが睡眠だ。「不眠は男性更年期障害の最大の危険因子です。遠距離通勤の不規則な睡眠が、引き金になることがあります」と、帝京大学医学部付属病院泌尿器科の堀江重郎主任教授は言う。
1時間以上も通勤電車に揺られ、座席で居眠りという光景はありがち。帰宅時の電車の中でもしばし夢の中。このような中途半端な睡眠のために、布団に入っても寝付きにくくなってしまうことがある。遠距離通勤でもともと睡眠時間が短いにもかかわらず、寝付きの悪さからさらに短縮。翌日に疲労を持ち越し、その積み重ねが男性ホルモンの減少へと結び付く。
「不規則な睡眠を改善することは、非常に重要です。遠距離通勤の方の場合は、週に1度は会社の近くに泊まり、適度な運動をし、ぐっすり眠ることを指導しています。また、頭の緊張を取ることも大切。ヨガや太極拳、温泉などによりリラックスすることも、男性更年期障害の予防に結び付きます」(堀江主任教授)。
睡眠時間が不規則で、何をするのも「おっくう」になったときは、男性更年期障害の可能性大。しかし、自覚がないだけでなく、男性更年期障害の治療の1つ「テストステロン補充療法」を避けたいと思う人もいる。男性ホルモンのテストステロン補充に対して、オリンピックのドーピングや強精剤などのイメージが根強く残っているからだ。そのため、米国での03年のテストステロン処方件数が200万件以上であるのに対して、日本では100分の1のおよそ2万件に過ぎない。「テストステロン補充療法により、男性更年期症状のスコアは3カ月後に改善されています。しかし、この治療は日本全国に広まってはいないというのが現状です」(堀江主任教授)。
精神症状や身体症状といったさまざまな症状を引き起こす男性更年期障害。別の病気と診断されることもあるからご用心。やはり、専門に治療を行う泌尿器科で、診断と治療を受けることが望ましい。「泌尿器科はいわばメンズクリニックです。男性更年期障害以外の疾病に関しても、当然、専門的な診断や治療を行っていますので、気になる症状があるときは受診してください」(堀江主任教授)。
【医療ジャーナリスト安達純子】
January 1, 2006 10:50 AM
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