健康連載ブログ

2006年01月09日

中年男の養生学

【第32回】管修復、米では年間80万件

「キレーション療法で血管がよみがえるる」

 加齢とともに動脈硬化が進み血管がボロボロに。狭心症や心筋梗塞(こうそく)の発作を起こせば、治療を受けても再発の恐怖が付きまとう。その血管をよみがえらせる治療として、米国では現在「キレーション療法」が盛んに行われている。

 キレーション療法とは、合成アミノ酸の「EDTA(エチレンジアミン4酢酸)」を主成分とした点滴による治療。EDTAは、もともと体内の有害な金属を排出する治療薬で、鉛中毒患者に用いられていた。その後、動脈硬化にも有効ではないかと推測され、米国では、狭心症や心筋梗塞、慢性関節リウマチ、糖尿病、腎臓結石などの治療でも使われている。

 「有害な金属を排出するだけでなく、血管を修復する作用もあります。そのため、米国では、約2000施設で年間80万件(02年現在)のキレーション療法が行われているのです」と説明するのは、杏林大学保健学部臨床内科学教室(杏林大学保健センター所長)の柳沢厚教授。米国最先端医療会議キレーション治療の専門医でもある。

 「2万3000人以上の心臓病患者の80%が、キレーション療法で改善したというデータも出されています。しかし、米国では、ほとんど副作用が認められないものの、本当に効果が得られるのか、賛否両論があるのも事実です」(柳沢教授)。

 まだこれからの療法だ。日本では、昨年からスピックサロン・メディカルクリニック(神奈川県鎌倉市)が、日本人向けのキレーション療法による治療プログラムを導入した。「狭心症や心筋梗塞、あるいは、生活習慣病にかかってしまった人は、治療の限界を知っています。その限界を超えるため、治療を希望される方は後を絶ちません」(柳沢教授)。

 血管を修復するため、キレーション療法は、アンチエイジングとしても注目され始めている。だが、点滴を受ければOKという話ではない。「生活習慣病改善や予防には、やはりご本人が食生活を見直すのが基本です。ストレスを軽減し、バランスの良い食事、適度な運動は欠かせません。ご自身の努力を補うのが、キレーション療法やサプリメント。努力なくしては健康は望めないのです」(柳沢教授)。

 どんなに自分で努力をしても、壊れてしまった機能は元には戻らない。そのとき頼るべき適正な医療は、まだ日本では普及されていないのが現状だ。

 【医療ジャーナリスト安達純子】

January 9, 2006 10:02 AM

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