2005年12月26日
中年男の養生学
【第18回】自覚がないケースも
「無自覚のEDで離婚の危機に」
結婚後、妻に対する性欲が薄らぐ場合がある。カップル時代のロマンチックな夜とは、妻の態度ががらりと変わり「今日は排卵日よ」と、子作り目的の性交を求められ興ざめてしまう。あるいは、もともと性欲が淡泊で、結婚後は仕事や趣味に没頭。マスターベーションをするだけで性交に興味を失うなど、理由はさまざまだ。
「明らかな問題もなく、1カ月以上も性交がない状態を『セックスレス』と定義しています。その原因がED(勃起=ぼっき=障害)にもかかわらず、ご本人は全く自覚していないケースも少なくありません。それが離婚の原因つながることもあります」と、東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンター(泌尿器科)の永尾光一講師は説明する。
同病院は、99年に日本初の「女性性機能外来」を開設。女性の性機能障害だけでなく、パートナーのED治療に伴う問題にも専門医が対応している。永尾講師の調べでは、この外来に訪れた女性の半数以上は、男性のEDに悩んでいた。「例えば、男性はセックスができなくても『愛している』と考えますが、女性は愛情とセックスは同一のものと認識しています。双方の考え方に隔たりがあるため、離婚に結び付いてしまうのです。セックスは、若い世代にとっては単なる楽しみではなく、人生にかかわるものだけに、EDは夫婦の危機に結び付きます」(永尾講師)。
女性の性交に対する協力度の調査結果では、20~40代の女性はおよそ半数以上が積極的。男性がそれに応えることができないと「浮気をしているのではないか」「愛情が薄れた」など、女性の悩みは深くなっていく。「女性性機能外来でEDに悩まれているときには、ご主人にも一緒に受診していただくことをお勧めしています。バイアグラなど勃起不全治療薬で、EDの治療が可能だからです。しかし、ご主人が受診しないこともあります」(永尾講師)。
仕事が多忙。マスターベーションはできるし、身体に異常はない。また、子供はほしくないなど、受診を拒否する理由はさまざま。永尾講師は「ご主人への手紙」を書き、受診を促すようにはしているが、それでも受診しない人はいる。「不妊外来の男性不妊症の原因の28%はEDであることから考えても、ご本人の自覚のないEDは非常に深刻です」(永尾講師)。1カ月以上も性交がないときはセックスレス。ED治療で離婚の危機は回避してはいかがだろうか。
【医療ジャーナリスト安達純子】
December 26, 2005 09:28 AM
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