健康連載ブログ

2005年12月25日

中年男の養生学

【第17回】9割は心因性

「30代ED(勃起障害)の9割は心因性」

 加齢とともに増加するED(勃起=ぼっき=障害)は、軽症を除く中等度および重症の人が、国内で1130万人と推定されている。40代では5人に1人はEDといわれ、その割合は年齢が高くなるにつれて増えていく。ところが、泌尿器科の外来にED治療に訪れるのは、30代が最も多い。東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンター(泌尿器科)の永尾光一講師の調べでは、同病院受診患者数は30代が33・1%。40代の20・1%や50代の15・8%と比べても多いのだ。「30代のEDの9割は、心因性によるものです」(永尾講師)。

 EDの定義は「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないために、満足な性交が行えない状態」。年齢が高くなると男性ホルモンが低下したり、勃起にかかわる神経や血流に障害が生じるなど、EDのリスクは自然に高まる。心因性というのは、このような身体的には全く異常がなく、心の問題によって引き起こされるEDを示す。

 「1度性交に失敗した経験が、セックスに対する不安を生み出したり、自信を失わせることがあります。それはEDの引き金になります。また、仕事のことで頭がいっぱいといった過重なストレスも、心因性のEDの原因になっています」(永尾講師)。

 ペニスが勃起するには、大脳の興奮が不可欠。大脳の興奮が脊髄(せきずい)神経を経由してペニスに伝えられることで、勃起のための反応が始まるのだ。しかし、不安やストレスは、この大脳の興奮を抑制してしまう。

 例えば、性行為の途中で「また失敗したら…」といった不安が膨らむと、大脳は性的な興奮が遮られ、勃起していたペニスはなえる。そんなとき、妻や彼女から不満を言われると、ますますセックスに対する不安が膨らむ。結果として、失敗が繰り返され、そのうち全く勃起しないような状態に陥る人もいる。

 「失敗が重なれば心因性のEDは、症状が悪化します。ただ、バイアグラやレビトラといった勃起不全治療薬によって、成功を積み重ねていけば治りやすい。成功が自信につながるからです」(永尾講師)。自信を取り戻すことが、心因性EDの改善に結び付く。治療は「患者さんによっても異なりますが、半年程度が目安です」(永尾講師)。1人で悩まずに医療機関へ受診を。

【医療ジャーナリスト安達純子】

December 25, 2005 09:53 AM

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