健康連載ブログ

2005年12月21日

中年男の養生学

【第14回】薬の選択肢増えたED治療

「バイアグラで9割の人がED改善」

 加齢とともに増加しがちな悩みの1つにED(勃起=ぼっき=障害)がある。しかし、その治療は98年4月に国内でファイザー社から発売された「バイアグラ」の登場で一変した。「バイアグラの投与によりおよそ9割の方は、EDが改善しています。発売される以前の器具や漢方薬などの治療に比べれば、雲泥の差があるといえます」と言うのは、やじま泌尿器科クリニック(神奈川県相模原市)の矢島通孝院長。

 聖マリアンナ医科大学泌尿器科助教授時代にバイアグラの治験を行い、その後もレビトラ、シアリスといったED治療薬の治験を手掛けている。「バイアグラが効きにくいのは、重度の糖尿病で末梢(まっしょう)神経に障害が起きているような器質性の場合です。薬のメカニズム上、効きにくいといえます」(矢島院長)。

 勃起は、脳から送られた性的な興奮がペニスに伝えられ、海綿体の細胞に作用して作り出されるcGMP(サイクリックグアノシン1リン酸)により、動脈や海綿体平滑筋が拡張し、多量の血流が流れ込むことによって起こる。cGMPは、海綿体の細胞にある酵素のPDE-5(ホスホジエステラーゼ・タイプ5)で分解され、時間の経過とともに勃起をなえさせてしまう。このPDE-5を阻害するのが「バイアグラ」だ。「性的興奮を伝える末梢神経に障害が起きていたり、血流が悪いなど器質性のEDには、あまり効果は期待できません。しかし、投与量を増やすことで効く場合もあります」(矢島院長)。

 「バイアグラ」には、25ミリグラム、50ミリグラム、100ミリグラムの錠剤があるが、日本では25ミリグラムと50ミリグラムのみが発売されている。症状に合わせて投与量を変えることで、効果が生じる可能性が…。「ただし、狭心症の薬といった併用してはいけない薬もあります。また、副作用を予防するために、全身の状態を把握した上で、投与量は決めているのです。自分勝手にのむ量を増やしていいというものではありません」(矢島院長)。

 「バイアグラ」は、狭心症の治療薬で知られるニトログリセリンなどの硝酸剤と併用すると、急激な血圧低下により命にかかわることも。やはり、服用するときは医療機関で診察を受けてからが基本。また「バイアグラ」だけでなく、昨年新たに「レビトラ」というED治療薬も国内で承認され発売された。薬の選択肢が増え、医療機関におけるED治療はさらに進歩している。

 【医療ジャーナリスト安達純子】

December 21, 2005 09:28 AM

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