健康連載ブログ

2005年12月18日

中年男の養生学

【第11回】一朝一夕に量は増やせない

「1本植毛も一朝一夕に毛髪量は増やせない」

 結婚適齢期を迎えた30歳前後の男性の希望者が多い「植毛」。男性型脱毛症では、頭頂部や前頭部の毛髪量が減少しやすく、側頭部は髪がフサフサとしている。その側頭部の毛髪を活用し、1本から数本ずつ植毛する方法が注目を集めている。

 「以前は、パンチ法という側頭部の頭皮を丸い小さな穴状に切り取ったものを植毛する方法が主流でした。しかし、丸状の植毛では生え際が不自然になってしまう。そのため、現在は1本植毛、あるいは数本ずつのミニグラフト法が導入されています」と、東京女子医科大学付属女性・自然医療研究所美容医療科の若松信吾所長(教授)は言う。

 頭頂部の脱毛した個所には、パンチ法で1センチ程度のまとまった植毛を点在させる。そして、生え際に近いところは数本程度のミニグラフト法。さらに、生え際は1本植毛で自然な毛髪を実現するという。「ご自身の毛髪のため、95%以上は根付きます。ただし、1回だけの植毛で自然な毛髪量をよみがえらせることはなかなか難しいといえます」(若松所長)。

 1本ずつの植毛では、毛髪量の多い側頭部の頭皮を幅1・5センチ×長さ15センチ程度に切り取り、毛根を付けた状態で1本ずつに分けて、前頭部や頭頂部に植毛していく。「通常は、1平方センチに80本程度の毛髪が生えています。しかし、1本植毛の場合は、1回に1平方センチで20本から30本が限界。密度を濃くすると、毛根が根付きにくいのです」(若松所長)。

 1回の1本植毛では、通常の4分の1~3分の1程度の毛髪量しか植えられない。薄毛の進行度にもよるが、2回、3回と植毛を繰り返し、徐々に毛髪量を通常の量に戻していくケースもある。しかし、植毛は保険適用ではないため、医療機関にもよるが300万~500万円程度の費用がかかってしまう。

 「数本まとめて植毛するよりは、1本ずつの方が自然な生え際になります。しかし、1本ずつ切り分けるには、毛根を傷つけずに行う技術が必要です。毛根を傷つけると、太い毛髪が生えずに産毛になってしまうのです」(若松所長)。

 せっかく植毛に取り組んでも、産毛になっては元のもくあみ。技術レベルの高い医療機関で植毛は行うべきといえる。「日本臨床毛髪学会に加入している医療機関を選ぶようにすると良いでしょう」(若松所長)。

 【医療ジャーナリスト安達純子】

December 18, 2005 09:29 AM

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