2005年12月16日
中年男の養生学
【第9回】「脂漏性脱毛」は間違い
「脂漏性皮膚炎が男性型脱毛症を加速する?」
多忙のため、入浴すらままならない人はいる。頭皮は脂っぽくなり、フケがたまり、抜け毛の原因になると思われがちだ。では、なぜ、頭皮を不潔にしておくと抜け毛に結び付くのか。ちまたでいわれているのは「脂漏性脱毛」である。頭皮を脂っぽい状態のままにしておくと、毛が抜けやすい状態になるとの考え方。しかし、これは間違い。
「皮膚にはマラセチア菌という真菌が常在しています。不衛生にしていると異常繁殖し、皮膚炎を引き起こした状態を脂漏性皮膚炎といいます。脂漏性皮膚炎がひどい状態になったときには、脱毛が起こる場合がありますが、私が診断をしたケースでは、1万人のうち数人しか脱毛に至ってはいませんでした」と、脇坂ナカツクリニック(大阪市)の脇坂長興院長は説明する。
頭皮を不衛生にしておくと脂漏性皮膚炎になりやすい。しかし、脂漏性脱毛には、相当進行しない限りなりにくいのだ。「不潔のままでいいというわけではありませんが、頭皮が脂っぽいから髪の毛が抜けるわけではないのです」(脇坂院長)。
脂漏性皮膚炎により、皮膚の表面をつめでかいたとしよう。毛髪を支える毛根の中までは、なかなかつめは届かない。炎症は頭皮の表面にとどまっているのだ。そのため、頭皮が相当ダメージを受けなければ、毛根までには至らない。脂漏性皮膚炎は、男性型脱毛症とは、直接は結び付いていないのである。
「男性型脱毛症を促進させる5α-ダイハイドロテストステロン(DHT)は、皮脂の量も増やします。加齢による体質の変化で、皮脂も増えます。脂っぽいために、不衛生な状態で脂漏性皮膚炎が生じ、その一方で男性型脱毛が進行しているケースはあるのです。このような場合、脂漏性皮膚炎は治療で治っても、男性型脱毛症は、そのまま進行しています」(脇坂院長)。
脂漏性皮膚炎の治療はもちろんのこと、男性型脱毛症の治療も受けなければ、脱毛は止まらない。頭皮を清潔にして脂漏性皮膚炎を防ぐだけでは、食い止められないのである。「フケや脂が抜け毛の原因ではありません。男性型脱毛症は、それだけでは防ぐことができません」(脇坂院長)。
ただ頭皮を清潔にしておけば、男性型脱毛症を食い止められるというのは、誤った考え方だったのだ。
【医療ジャーナリスト安達純子】
December 16, 2005 09:51 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/2976
このリストは、次のエントリーを参照しています: 【第9回】「脂漏性脱毛」は間違い:
» 水道橋博士に学ぶ育毛 from 水道橋博士に学ぶ育毛
TB失礼します。薄毛からフサフサになった浅草キッド水道橋博士。彼の育毛方法から学び、実践するシャンプーから育毛剤選び・オリジナル育毛方法。特集記事としてカネボウ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年10月13日 19:57
