2005年12月14日
中年男の養生学
【第7回】年末ストレスで突然
「年末のストレスで円形脱毛症に」
師走は、年内納めの仕事や忘年会など多忙を極め、ストレスがたまりやすい。そんな時期に、20代のある男性は洗髪時に、左側頭部の500円玉ほどの脱毛に気が付いた。「昨日は髪が生えていたはずなのに…」と、大ショックを受けて病院へ。円形脱毛症と診断された。
前日には正常だったはずの毛髪が、翌日には円形脱毛症になってしまう。
「動物実験で、円形脱毛症は半日で生じた例があります。毛髪は、成長期、移行期、休止期のサイクルを繰り返していますが、円形脱毛症では移行期を経ずに、成長期の髪が抜けてしまうのです。ストレスが誘因であることは明らかですが、なぜ成長期の髪が突然抜けてしまうかの、その原因ははっきりと分かってはいません」。こう説明するのは、脇坂ナカツクリニック(大阪市)の脇坂長興院長。頭髪医療において、重症度の高い円形脱毛症の治療を数多く行っている。
「円形脱毛症の毛根を調べると、リンパ球がたくさん集まっているため、自己免疫疾患の1つと考えられます。しかし、自己免疫疾患による炎症で髪が抜けるのか、あるいは、髪が抜けたために炎症が起きているのか、はっきりしていないのです」(脇坂院長)。
軽度の場合は、一般大衆育毛薬にも配合されている塩化カルプロニウムにより、血流を改善し、頭皮に刺激を与えることで、毛髪はよみがえってくる。
「単発型円形脱毛症は、血流改善、あるいは、ストレスがなくなれば、2~3カ月で発毛が始まるケースが多い。しかし、円形脱毛が多発したり融合したりする“多発型・融合型”になると、治るのに時間がかかります。また、進行型へ移行すると、毛髪だけでなく全身の毛、すなわち、体毛やまつ毛まで抜け落ちる状態になるため、注意が必要です」(脇坂院長)。
“多発型・融合型”は、血流改善だけでは完治が困難。自己免疫疾患であることから、ステロイドの外用薬、セファランチン(免疫賦活=ふかつ=剤)、グリチロン内服(肝臓機能の庇護=ひご=剤)などによる治療が行われる。医療機関によっては、ステロイドの局所注射や、人工的にかぶれを起こす感作療法を行うことも。
「“多発型・融合型”になったときには、すぐに適切な治療を受けることが重要です」(脇坂院長)。
【医療ジャーナリスト安達純子】
December 14, 2005 09:14 AM
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