健康連載ブログ

2005年12月09日

中年男の養生学

【第2回】長期間のんでも効果薄

「長期間のむとプロペシアの効果はなくなる?」

 “のむ発毛剤”として注目を集めている「プロペシア」(一般名フィナステリド)は、男性型脱毛症にかかわる5α-還元酵素を阻害する薬である。5α-還元酵素は、血中の主な男性ホルモンテストステロンが毛乳頭細胞に入ったときに、5α-ダイハイドロテストステロン(DHT)へと変換。DHTが毛母細胞に作用して、毛髪が育ちにくく、抜け落ちやすくしてしまうのだ。

 「毛髪のサイクルは、髪が伸びる成長期、成長が止まる退行期、抜け落ちる休止期を繰り返しています。男性型脱毛症では、このサイクルが止まり、退行期へと誘導して休止期を長くしてしまうのです。結果として、休止期が長く続くと毛根は委縮し、やがて閉じ、毛穴のない状態へとなってしまいます」と、「プロペシア」の治験を統括した東京女子医科大学皮膚科学教室の川島眞教授は、男性型脱毛の仕組みについて説明する。

 「プロペシア」は、5α-還元酵素を阻害し、毛髪のサイクルを正常に戻す。しかし、毛穴が完全に閉じて毛根がなくなってしまっている場合には、それを元に戻すことはできない。「フィナステリドを1日1回のむと6カ月程度でピークを迎えます。委縮した毛根がヘアサイクルを取り戻すのです。しかし、1年を超える長期間にわたってのみ続けても、それ以上はなかなか毛髪量は変わらないと考えられます。男性型脱毛症の進行を止め、ヘアサイクルを取り戻しても、そもそも毛穴がなければ生えてはきません」(川島教授)。

 長期間にわたってのみ続けても、1年を超えれば、それ以上には見た目は大きく変わらない。それをどう考えるかは、患者の判断といえる。では、毛穴がなくなってしまっているか、まだあるのか、どう判断するかも1つの疑問だろう。「毛髪が薄くなり始めた段階で、毛根が残っている可能性が高ければ、毛髪の量もフィナステリドをのむことにより戻る可能性が高くなります」(川島教授)。

 つまり、既に長年、薄毛が進行し、頭皮の露出度が多ければ多いほど、フサフサの髪を取り戻すことは難しくなる。では、家系的に薄毛になりやすい人の場合、予防的に使用し、男性型脱毛症を食い止めることはできないか。「予防的な投与は行いません」(川島教授)。

 「プロペシア」は、男性型脱毛が進行し始めたころにのむと効果が期待できる。

【医療ジャーナリスト安達純子】

December 9, 2005 10:20 AM

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