健康連載ブログ

2005年12月05日

がんと向き合う

【第54回】セカンドオピニオンが救った

「大隅寿男さんの選択(2)」

 悪性リンパ腫(しゅ)にも、年単位でゆっくり進行していくものから、週単位で悪化していくものまで、さまざまな種類がある。極めて進行が早いタイプと診断されたジャズドラマーの大隅寿男さんは、とにかく家族や姉、所属事務所の仲間や友人に相談することにした。「サラリーマンならば、仕事への影響も考えて隠すのかもしれませんが、私は隠す気持ちは全くありませんでした」と大隅さんは語る。

 そこで、強くセカンドオピニオンを勧めたのが、3人の姉たちだった。大隅さん自身は「病気も見つけてもらったし、診断を受けた病院に命を預けようと思っていた」という。

 セカンド・オピニオンは、ほかの専門医から意見を聞くこと。最近では流行語のようになっているが、実際に実行するには、それなりに勇気がいる。このとき大隅さんも、姉に背中を押されてようやくその気になったのである。結果として、これが大隅さんを救ったともいえる。

 翌日、主治医に紹介状を書いてもらうと、がん専門病院を受診した。ここからがしんどかった。「検査は、一からやり直しと言われたのです」。1カ月に及ぶ検査期間。前の病院で、どんどん悪くなっていくと言われていただけに、気持ちが焦った。「不安で眠れず、1人で泣いたこともしばしばでした」と、大隅さんは振り返る。

 7月。検査結果は非ホジキンリンパ腫で、4期という診断までは同じだった。しかし、悪性度の診断が違っていた。以前の病院で高悪性度と言われたが、低悪性度という診断だった。つまり、進行速度も遅い。少しホッとしたものの「高悪性度のリンパ腫は治療でたたきやすいけれど、低悪性度の場合むしろ治療に対する反応は良くない」とクギを刺された。

 ズバズバと事実を告げる担当医の言葉は厳しくもあったが、自信にも満ちていた。大隅さんはこの医師に命を託そうと決意するのである。

 【医療ジャーナリスト祢津加奈子】

 ◆悪性リンパ腫 免疫に働くリンパ球が、がん化する病気。多くの種類があるが、基本的にホジキンリンパ腫と、それ以外の非ホジキンリンパ腫に分けられる。日本人には圧倒的に非ホジキンリンパ腫が多い。

December 5, 2005 08:52 AM

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