健康連載ブログ

2005年11月28日

がんと向き合う

【第47回】手術、エタノール、塞栓の3手法

「肝臓がん(1)」

 治療法が豊富で、たとえ手術が不可能でもいろいろな治療手段があるのが、肝臓がんだ。

 肝臓がんは原因がかなりはっきりしている。日本大学医学部消化器外科の高山忠利教授によると、「肝臓がんの95%以上はウイルス性肝炎をベースに起こる」という。日本は肝臓がんの多発国。年間約3万人が、肝臓がんと診断されている。うち75%がC型肝炎、20%がB型肝炎によるものだ。肝炎ウイルスに感染後、慢性肝炎から肝硬変に移行し、ここから肝臓がんになる人が圧倒的に多い。

 高山教授によると「この中で手術を受けられる人は約3割」という。つまり、発見された時点ですでに約7割の人が手術できない状態にある。肝硬変がベースにあるので、肝臓の働きが低下していて手術による切除に耐えられない、がんが進行しすぎて手術ではとり切れないというのが、その2大原因だ。

 しかし、だからといってそう悲観することはない。肝臓がんは「手術できる人が限られているので、いろいろな治療法が開発されてきました」と高山教授。実は、そこで世界のリーダー的役割を果たしてきたのが日本。今、肝臓がんでは<1>手術<2>エタノール注入療法やラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法などの経皮的局所療法<3>がんを兵糧攻めにする肝動脈塞栓(そくせん)療法という3つの方法が主流。そのいずれもが日本で開発、あるいは完成された技術なのだ。

 「日本は、肝臓がんの治療では世界でもトップ。手術成績も世界一です」と高山教授は語っている。加えて、肝臓がんは胃がんや大腸がんなどに比べると進行が遅いことが多い。

 つまり、肝臓がんは原因がはっきりしているので、定期検診によって早期発見しやすく、たとえ手術ができない状態でも打つ手がいろいろある。高山教授によると「手術できる人が30%、残りの25%が経皮的局所療法、40%が肝動脈塞栓療法。治療法がないという人は5%ほど」だそうだ。一方で、肝硬変というがんの発生源を抱えているため、再発が多いのが問題だ。

 【医療ジャーナリスト祢津加奈子】

 ◆治療法の開発 手術法を完成させたのは東大の幕内雅敏教授、エタノール注入療法は千葉大第1内科が開発、塞栓療法の改良は和歌山県立医大のグループといわれている。

November 28, 2005 10:19 AM

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