健康連載ブログ

2005年10月27日

がんと向き合う

【第15回】くよくよ思い煩わない生き方

「大空真弓の選択(1)」

 いくらがんが不治の病ではなくなったとはいえ、自分が「がん」と診断されて平常でいられる人はそうは多くないだろう。

 ところが、多くの患者を診てきた医師でさえ、なぜこの人は、こんなに冷静でいられるのだろうと不思議に感じたというのが、女優の大空真弓さんだ。大空さんは98年11月末、最初のがん告知を受けた。乳がんだった。その時の思いをこう語っている。

 「私の家は、がん家系なので必ず自分もがんになると思っていました。それが、私の場合はおっぱいにきたのかと、反射的にそう思いました」。

 大空さんの家族は、4歳上の姉が29歳の時に胃がんで亡くなり、母親も肝臓がんで亡くなっている。当時存命だった父親も胃がんの手術を受けていた。4人家族の中で、大空さん以外は全員がんになっていた。やはり自分にもそれがきたのだな、そんな思いだったようだ。

 実は乳がんが発見されたのも、そうした思いと無縁ではなかった。大空さんはがん家系であるし、舞台が始まると休めないからと、半年に1度は人間ドックを受けていた。最初はここで「シコリ」が発見されたのである。精密検査の結果は良性。この時から定期的な観察が続けられた。異変が見つかってがんと診断されたのはそれから3年後のことだ。

 この間、大空さん自身も左の乳房の「シコリ」には気付いていた。といっても、このシコリはよく本で読むような固いクリッとしたものではなく、ブヨブヨしていた。しかも、病院では良性と診断されている。

 がん家系であるからこそ、シコリに神経質になりそうなものだが、そこが大空さんらしいところなのだろう。乳がんでは入浴時の自己検診が勧められるが、アレルギー体質の大空さんは入浴はもっぱらシャワー。それもあって自己検診をすることもなかったという。

 するべきことはして、くよくよ思い煩わない。それが大空さんの生き方のようにみえた。

 ◆大空真弓 1958年新東宝入社。「坊ちゃん社員」でデビュー。映画、テレビ、舞台で活躍中。90年、菊田一夫賞受賞。最近、がん体験を「大空真弓『多重がん』」撃退中」(宝島社)として出版した。

October 27, 2005 10:34 AM

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