2005年10月25日
がんと向き合う
【第13回】ホルモン効果UPの間欠療法
「前立腺がん7」
がんが、実際にどこまで広がっているか。ある程度検査で推測はできても、本当のところは切った組織を顕微鏡で調べないと分からない。
例えば、前立腺内にとどまると思われたがんでも、切除した組織の切り口にがん細胞が見つかることがある。PSAの値が20を超えていたり、がん細胞のタチが悪いタイプにこういう例がある。その場合には、放射線かホルモン療法を補助的に行う。しかし、静岡県立静岡がんセンター院長の鳶巣賢一先生によると、2つの治療法は全く意味が違うという。
「放射線治療は、照射した範囲にあるがん細胞を全滅させる可能性がありますが、照射範囲の外に残ったがん細胞には効果がありません。一方、ホルモン療法は全身的な効果が期待できますが、すべてのがん細胞を死滅させることはできないと考えられています。どちらの治療が適しているかは人により異なるのです」。
では、ホルモン療法はどのくらいの期間がんを抑え込めるのだろうか。鳶巣先生によると、一生の間に効く期間は人によって決まっているらしい。そこで、最近はずっと続けるのではなく、PSAの値が高くなったらホルモン療法を行い、下がったら休むという治療を繰り返すそうだ。これが間欠療法だ。「ホルモン療法の効果を長続きさせ、副作用も軽くできる可能性がある」そうだ。
一方、前立腺の外にがんが食い込んでくると、転移の可能性も出てくる。この場合は、手術や放射線治療だけで治すのは難しい。ホルモン療法と放射線療法の併用が、世界的な標準治療。放射線を照射してからホルモン療法を行うことが多い。鳶巣先生によると、ホルモン療法でがんを縮小させてから放射線療法を行うと、放射線の照射範囲が狭くてすむので、これもなかなかいいそうだ。あるいは、ホルモン療法と手術を組み合わせたり、3つの治療法を組み合わせることもある。
まだ、この段階になると決まった治療法はないが、いろいろな治療法を組み合わせることで、10年生存率は7~8割になる。前立腺がんは、早期ではなくてもそう悲観する必要はないのだ。
◆画像診断 前立腺がんは早期には塊にならずにパラパラと散っているので、画像診断では捕らえにくい。早期と診断しても、手術で摘出した組織をみると、前立腺の外に出ている場合もある。
October 25, 2005 09:12 AM
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