健康連載ブログ

2005年10月22日

がんと向き合う

【第11回】障害少ない小線源療法

「前立腺がん5」

 がんが前立腺内にとどまる早期の前立腺がんの場合、放射線治療も選択肢になる。

 放射線治療は、手術に比べて若干治療成績が落ちるが、「尿失禁や勃起(ぼっき)障害など手術で起こるような合併症の危険が少ないこと、また手術に比べて体にかかる負担も少ないので、高齢者でも受けられるのが長所です」と静岡県立静岡がんセンター院長の鳶巣賢一先生は語っている。

 日本では、まだ外からがんの病巣に放射線を照射する外照射という方法が一般的だ。この方法だと、放射線の副作用で治療中や治療後2~3カ月は、直腸から出血したり、排便時の痛みが出ることが多い。また、治療後10年以上経過したあとにも、まれとはいえ直腸からの出血や排尿障害などの晩期合併症が起こることがある。

 これらは、いずれも放射線ががん周囲の臓器にかかることで起こる障害だ。しかし、最近は外照射でも原体照射や強度変調放射線治療など、がんの病巣に放射線をより集中させる照射法が生まれている。まだ行える病院は限られているが、こうした方法だと、放射線による合併症は低く抑えられ、治療効果は高まる。よって「手術に匹敵する効果を上げる」までになっているのだ。

 一方、早期で性格もおとなしい前立腺がん(低危険度群)ならば、小線源療法も選択可能だ。これは、前立腺の中に低い線量の放射線を出す線源を埋め込み、前立腺内部から放射線治療を行う方法。小線源療法は、放射線を前立腺に集中させることができるので、より大量の放射線を前立腺に照射することができる。

 その結果、治療成績も手術に並ぶといわれている。かつ、放射線障害が起こる率も非常に低くなっている。アメリカなどでは、早期の前立腺がんに手術と半々の割合で行われているそうだ。

 「放射線治療は、治療成績で手術に勝ることはありませんが、かなり拮抗(きっこう)するところまできています。あとは、その長所と短所をどう考えるかです」と鳶巣先生は語っている。

 ◆治療期間 一般的な外照射の場合は、2カ月間の通院が必要。小線源療法(永久留置)の場合は、線源を前立腺内に埋め込むのに2時間ほどかかる。入院期間は3日ほど。

October 22, 2005 09:54 AM

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