健康連載ブログ

2005年10月20日

がんと向き合う

【第9回】治療せずに共存する方法

「前立腺がん3」

 前立腺がんの場合、前立腺の中にとどまるごく早期のがんで、性質もおとなしい場合、治療をしないで経過をみるという選択肢もある。といっても、これはその人の年齢や考え方次第。

 静岡県立静岡がんセンター院長の鳶巣賢一先生は「がんで苦しい思いをしないのならば、上手に共存できればよしとする、1つの哲学です」と説明している。前立腺がんは、かなり進むまでほとんど症状がない。それならば、あえて治療で合併症などの危険を冒すよりは、がんとうまく付き合っていこうという考え方だ。

 特にこうした選択肢も考えられるのが高齢者。「期待できる余命とがんの進行状態、治療で起こり得る合併症の危険などを勘案して、もう少しがんが進んだ状態でも無治療を選ぶ場合もあります」と鳶巣先生は語っている。同じ早期の小さながんでも、若い人にはこういう考え方は成り立たない。もっとも「大事な時期で仕事を中断できないといった場合、若い人でも2~3年は大丈夫だろうという予測のもとに一定期間経過を観察することはある」そうだ。

 また、治療をしないといっても、今は2つの方法がある。1つは、何か症状が出るまでは経過を観察するだけで治療をしないという方法。前立腺がんの場合、それからでもがんとの共存を目指して打つ手はある。もう1つは、厳重に経過をみて、あるところで治療を始めるという考え方だ。

 具体的には、「PSAのダブリングタイムを指標にすることが多い」と鳶巣先生。ダブリングタイムというのは、倍になる時間のこと。例えば、PSAの値が5から10になるまでに5年かかったとすると、あまり心配がない。しかし、これが2年未満で倍になったとすると要注意。同じPSA値でもがんが成長する勢いが強い可能性があるからだ。がんの大きさやタチの変化をチェックして、治療を開始することもある。つまり、ある条件を決めて経過をみる。最近はこのタイプの「無治療」が増えているそうだ。もちろん、高齢でも最初から治療するという選択肢もある。

 ◆無治療という選択 鳶巣先生によると、高齢者の場合、かなり進んだがんでも何もしないでいいという人から、放置しても大過ないと思われる小さながんでも手術して欲しいという人までさまざま。

October 20, 2005 10:45 AM

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