健康連載ブログ

2005年10月12日

がんと向き合う

【第1回】標準治療が基準

 今は、がんもいたずらに恐れる時代ではなくなった。とはいえ、いざ自分ががんと診断されると、たいていショックで頭が真っ白になる。しかし、ここが踏ん張りどころなのである。昔は、治療は医者任せだったが、今は「治療法を選ぶのは患者自身」と考えられている。

 なぜか。1つにはがん治療の進歩がある。かつては、がんといえば手術。ほかに選択すべき道はあまりなかった。ところが、今は放射線治療や抗がん剤による治療が進歩し、手術で取らずに治るがんも増えてきた。手術と言っても、胃や乳房を丸ごと取ってしまう方法から、一部だけを取って臓器を残す方法。内視鏡や腹腔鏡で切らずに治す方法など、いろいろな種類がある。

 つまり、がん治療の選択肢が増え、治り方にも違いが出てきたのだ。どの治療法を選ぶかで、副作用や後遺症も違う。臓器を失っても治る確率が高い治療法がいいと考える人もいれば、多少の違いならば臓器が残る方がいいと考える人もいるだろう。つまり、最終的には患者自身が治療で何を重視するのか、どういう人生を送りたいのか。それぞれの価値観で治療法の選択も変わってくるのである。

 今の自分には、どの治療法が最善なのか。診断から治療までの期間は、それを選択する大事な時間なのだ。しかし、何の知識もなく治療法を選択するのは難しい。その第1歩がセカンドオピニオン、つまり主治医以外に意見を求めることであり、各がんの標準治療を知っておくことだ。

 標準治療とは、その時点で1番効果が高いと科学的に証明された治療法のこと。標準治療を知っていれば、提示された治療法が標準治療なのかどうか、違うとすれば標準治療に比べてどういうメリットがあるのか、さらに科学的根拠に乏しい治療法や古くて効果の低い治療法を避けることもできる。つまり、標準治療は自分が受けるがん治療を判断し、選択する基準にもなるのだ。

 ◆標準治療 欧米では1990年代に入って、標準治療をベースに各がんの治療ガイドラインが作られてきたが、日本ではここ数年ようやく治療の標準化が進んできた。

October 12, 2005 09:43 AM

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