健康連載ブログ

2005年10月07日

アンチエイジング医学最前線

【第85回】老化速度コントロールへ

「今後の期待」

 アンチエイジング医学は新しい医学分野である。スタートしたばかりともいえる存在だが、背負っている期待は大きい。高齢化に伴い加齢と病気の関係、健康長寿への取り組みは社会全体のテーマでもあるからだ。

 日本抗加齢医学会の設立メンバーで、来年5月に開催される第6回同医学会総会の会長を務める坪田一男・慶応義塾大学医学部教授は「なるべく医者の世話にならず元気に一生を全うできるように応援することがアンチエイジング医学の大きな柱です。医者いらずの世界をつくるために医者が熱心に研究している分野ともいえますね」という。

 日本抗加齢医学会はさまざまな分野の研究者が集まっている。これまでにない医学会のスタイルである。中には老化をも病気ととらえて、これに対抗しようという積極的な考えの医師もいる。

 坪田教授は角膜移植、角膜上皮の再生医療でも知られる眼科医だが、「目の病気の多くが加齢に伴って起こります。白内障、緑内障、網膜の病気、視力の衰えなどの進行を遅らせたり発症を防ぐことができたら素晴らしいことです。アンチエイジング医学こそ、第一に目指すべき医療ではないかと考えています」と話す。

 加齢とともに身体的および生理機能が低下する。老化と呼ばれる現象だ。その原因の1つとして挙げられているのが臓器当たりの実質細胞数の減少。臓器が縮んで機能が低下していく。縮み具合は臓器によってまちまちだが、脾(ひ)臓、胸腺、肝細胞、骨格筋細胞などの減少が著しいことが分かっている。

 しかし、これにも個人差があることから、なるべく細胞数を減らさないための食事や運動などの生活改善、さらには医学的な介入が期待されるところである。

 「老化のメカニズムは完全に解明されたわけではありませんが、老化も治療の対象となるような科学的根拠が示されるようになってきました。老化の速度をコントロールできれば、若々しく元気に寿命を全うすることは可能と考えます」と坪田教授はアンチエイジング医学への期待を語る。

【ジャーナリスト 小野隆司】

 ◆老化度 暦年齢と生物学的年齢の差が老化度として表される。生物学的年齢は生理機能(血圧・視力・聴覚など)、運動機能(握力・垂直跳び・反復横跳びなど)、外見(歯脱落数・顔のシワ・顔面色素沈着など)で測定され、統計計算を使って割り出す。ばらつきがかなりあり、個人差が出るのが老化の特徴などともいわれる。

October 7, 2005 10:30 AM

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